研究課題/領域番号 |
63103008
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
藤本 文範 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (70012242)
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研究分担者 |
大塚 昭夫 東京大学, 教養学部, 講師 (30134414)
山崎 泰規 東京大学, 教養学部, 助教授 (30114903)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
600千円 (直接経費: 600千円)
1988年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | ミュウ-中間子 / 阻止能 / バーカス項 / ブロッホ項 / 二次電子 |
研究概要 |
阻止能の入射粒子に電荷依存性は、一般にaZ_1^2+bZ_1^3+cZ_1^4+…のように書くことができる。第一項は一次のボルン近似で導かれる項、第2項、第3項は、それぞれBarkas項、Bloch項と呼ばれる補正項である。Barkas項の大きさは近接散乱の効果の見積り方により2倍程度の違いがあることが知られている。従来実験的にこれを認めるため、等速のp、α、Li^<3+>といったイオンによる阻止能を測定し、上記のZ_1依存性を導く試みがなされてきた。このような方法は、しかしながらZ_1^4項の寄与やLiイオンが標的中で必ずしも裸でないことによる効果等があって、はっきりしたことがいえなかった。これに対し、等速のμ^+とμ^-を用いると価電状態の速度依存性を考慮する必要がないばかりか、Bloch項が両者について等しいためより正確にBarkas項を決定できることになる。一方、価電粒子が個体を衝撃した際、放出される2次電子の個数は、阻止能に比例することが知られている。我々はこの2次電子の個数分布を、ほぼ100%の効率で測定する方法を開発し、上記のμ^+、μ^-ビームを個体の散乱に適用した。本年度は良質のDCビームが得られる、ブリティッシュコロンビア大学(カナダ)のTRIUMFを訪れ1〜2MeV程度のミューオンを用いてこの2次電子数分布(MUSE Multiple Emitted Secondary Electron)測定実験を行った。ミューオンは1メートル程度離したミンチレーション検出器の時間差から、そのエネルギーを決定し、それと同時計測する形で、MUSEを決定した。現在、Barkas項がより重要になると思われるエネルギーの低い領域での実験をおこなう為、TRIUMFのビームラインと直結し、より大きな標的に対して、時間分解能のよい測定をする準備をすすめている。
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