研究課題/領域番号 |
63106006
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中村 晃 大阪大学, 理学部高分子学科, 教授 (80029404)
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研究分担者 |
広田 栄治 分子科学研究所, 教授 (30011464)
中井 武 東京工業大学, 工学部, 教授 (90016717)
荻野 博 東北大学, 理学部, 教授 (00004292)
諸熊 奎治 分子科学研究所, 教授 (40111083)
斎藤 太郎 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (90011006)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
35,000千円 (直接経費: 35,000千円)
1988年度: 35,000千円 (直接経費: 35,000千円)
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キーワード | 有機金属化合物 / 活性種 / 構造 / 物性 / 理論的研究 / 遷移金属錯体 / X線構造解析 / 反応活性 / ジエン錯体 / アリル錯体 / 錯体触媒 / シリレン / クラスター / 有機ケイ素 |
研究概要 |
本特定研究も3年経過し、最終年度となり、研究も一段と成果が上り班員間の協力も最高となった。数多くの価値高い報文が出たがそれらの中で代表的なものを選んでその概要を述べる。理論的研究では、錯体触媒反応での鍵となる有機金属活性種について、諸熊がab initio法での精密な計算を行って来たが、特に近年重要となっている前周期遷移金属・アルキル錯体でのagostic相互作用を調べ、Si-C結合が電子不足のTi中心と強く相互作用している様子が解明された。 有機ケイ素化合物分野で重要な反応活種である5配位型アリル・シリケートについては、吉良が実験的に研究し、アルデヒドとの高度に選択的な反応での5配位錯体の立体化学と電子状態の関連を明らかにした。 数多くの有機合成反応での中間体として重要なパラジウム・オレフィン錯体について、黒沢・笠井が協力して研究し、オレフィンの配位立体化学と結合状態にこれまで未知の新しい結合様式があり、これがオレフィンの反応に重要である事を示した。X線構造解析が中心となった。 荻野は有機ケイ素の反応で重要なシリレン活性種が鉄などの金属に直接結合した新型の活性錯体を系統的に合成し、その構造を調べ、ケイ素と鉄との結合について新しい知見を得て、その応用として新型錯体を予想し、これらの合成を行った。 斎藤(太)はモリブデンなどの金属原子が房状になっているクラスターが特別な電磁特性を示す事に注目し、基礎となる各種のモリブデン・硫黄クラスターを新たに合成し、電磁活性と化学構造の関連を調べた。 中村と斎藤(太)は協力して、「無機合成」を執筆した。この本は、最近の有機金属及び無機化合物の合成法の著しい進歩を広く他分野の研究者に紹介し、初心者に代表的な実験法を教えようとするもので、約200頁のものが現在印刷中である。
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