研究課題/領域番号 |
63109006
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
杉山 勉 国立遺伝学研究所, 個体遺伝研究系, 教授 (40000260)
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研究分担者 |
堀 雅明 放射線医学研究所, 遺伝研究部, 室長
堀内 嵩 九州大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (60108644)
近藤 寿人 名古屋大学, 理学部, 教授 (70127083)
岡崎 恒子 名古屋大学, 理学部, 教授 (10022584)
堀田 凱樹 東京大学, 理学部, 教授 (30010036)
岡田 益吉 筑波大学, 生物科学系, 教授 (60015534)
高木 信夫 北海道大学, 遺伝子実験施設, 助教授 (20001852)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
22,200千円 (直接経費: 22,200千円)
1988年度: 22,200千円 (直接経費: 22,200千円)
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キーワード | X染色体不活化 / 不活化不全 / 唾腺染色体 / パフ形成 / 遺伝子発現 / ショウジョウバエ / 熱ショック / デイジトニン / δークリスタリン / エンハンサー |
研究概要 |
真核細胞生物における遺伝的制御系の応答を解明するためには、染色体の広領域を同時に制御する機構と、個々の遺伝子をそれぞれ単独に制御する機構の仕組みを正確に把握し、それぞれの制御様式の意義を理解しなければならない。本研究はその目的のために開始されたが、本年度は以下の特記すべき新知見を得た。 (1)哺乳動物の雌体細胞中の二本のX染色体のうち片方は常に不活性化されている。ところがX染色体上の異常により不活化不全となった細胞を持つ胚は、通常不活化のおきる発生段階に達すると種々の発生異常を示すことが明らかとなった。また不活化不全の培養細胞では、不活化細胞で発現されているタンパク三種が特異的に欠落している。このタンパクをコートする遺伝子の分離・同定により、不活化機構の分子レベル解明が期待できる(高木)。 (2)ショウジョウバエ唾腺染色体は遺伝子発現に伴って特異的にパフ構造を形成する。このパフ形成は体外に取出しデイジトニン処理した唾腺でもおこる。ところがヒートショックタンパクをコートする5座位はデイジトニン処理によりパフを形成すること、しかし熱前処理をした唾腺ではこの5座位のデイジトニンパフは形成されない事が明らかとなった。この系は遺伝子発現制御をクロマチンレベルで可規的に追跡できる重要な系である(岡田)。 (3)ニワトリのδークリスタリン遺伝子は目の水晶体のみで発現されるが、この組織特異的発現を規定するエンハンサーはδークリスタリン遺伝子の第三イントロンに存在する。このエンハンサーにレポーター遺伝子をつけマウスES細胞に導入、キメラマウス胚を作り、エンハンサー活性を調べた結果、水晶体特異的なコア領域とそれに付隨する非特異的領域が協同的に作用していることが明らかとなった。(近藤)。
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