研究課題/領域番号 |
63112002
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
山本 長三郎 金沢大学, 医学部, 教授 (50008231)
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研究分担者 |
村上 富士夫 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (20089882)
藤沢 仁 旭川医科大学, 医学部, 教授 (10027039)
新井 康允 順天堂大学, 医学部, 教授 (50053004)
久場 健司 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (60080561)
久野 宗 京都大学, 医学部, 教授 (50142295)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
24,400千円 (直接経費: 24,400千円)
1988年度: 24,400千円 (直接経費: 24,400千円)
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キーワード | 可塑性 / シナプス / 長期増強 / 発芽 / カルシウムイオン / 伝達物質 / ホルモン |
研究概要 |
カルシウムイオンがシナプスの機能的修飾の引金になることはよく知られている。ニューロン活動に伴って細胞内に流入したカルシウムイオンの作用点の1つであるカルモデュリンに依存性の蛋白キナーゼIIのγ亜型について全アミノ酸配列の決定に成功した(藤沢)。交感神経節におけるシナプス伝達の長期増強が、終末内のカルシウムイオン濃度の定常的上昇によると推定される(久場)。シナプス終末において小脳とアクチン間を連結するシナプシンIはカルモデュリン依存性キナーゼIIにより切り離され、シナプス伝達の可塑性が生ずる(祖父江)。NMDA受容体の高カルシウム透過性を証明することによって、海馬体の長期増強発生におけるNMDA受容体の重要性を確かめた(小沢)。苔状線維シナプスの長期増強に素量解析を適用して、長期増強がシナプスボタンからの伝達物質放出促進によることを示した(山本)。苔状線維シナプスの長期増強が百日咳毒素により遮断することから、代謝向性クルタミン酸受容体がこの長期増強誘発の引金になると推定した(杉山)。運動神経線維の伝導を遮断した場合にみられる線維終末の発芽と伝達物質放出促進の関係を時間をおって調べた結果、両者は相互に独立の過程であることが証明された(久野)。脳損傷時にみられる神経線維の異所性支配は、幼若期に存在する線維の発芽によるとの仮説を補強する実験結果を得た(村上)。末梢神経切断後Iaシナプス伝達の増強している時期に後根電位の減弱することが見出された(宮田)。視索前部の腹側前脳周囲核はふつう雄よりも雌の方が大きいが、新生期の雌ラットに対するアンドロゲン投与により、雄ラットの核と同程度まで縮小する(新井)。これは同核におけるピクノシス期の延長に起因する。ホヤ胚において細胞が卵型から神経型に分化するにつれて、Naチャネルの不活性化は遅くなる。この差は1個の遷移速度定数の変化によって説明される(高橋)。
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