研究課題/領域番号 |
63112008
|
研究種目 |
特定研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
八木 欽治 自治医科大学, 医学部, 教授 (70048974)
|
研究分担者 |
三木 直正 金沢大学, がん研究所, 教授 (40094445)
斉藤 寿一 自治医科大学, 医学部, 教授 (10048994)
清水 孝雄 東京大学, 医学部, 助教授 (80127092)
塩谷 弥兵衛 大阪大学, 医学部, 教授 (60028347)
井村 裕夫 京都大学, 医学部, 教授 (10025570)
|
研究期間 (年度) |
1988
|
研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
|
配分額 *注記 |
25,100千円 (直接経費: 25,100千円)
1988年度: 25,100千円 (直接経費: 25,100千円)
|
キーワード | プロスタグランジン / ロイコトリエン / 神経細胞生存因子 / 神経突起伸展因子 / 分化誘導因子 / 心房性Na利尿ペプチド / オピオイド / バゾプレシン |
研究概要 |
1.新しい信号修飾因子:プロスタグランジンD_2はCa流入を介するcGMP系とイノシトールリン酸交替系を活性化する(渡辺班員)。ロイコトリエンC_4の受容体分子はGタンパクを活性化しこのGタンパクが直接K^+チャネルを活性化する(清水班員)。カルパインIの活性を特異的に抑制する新しいカルパスタチンが存在する(村地班員)。 2.神経回路網の分化と発達に関与する活性因子 大脳辺縁葉海馬体から抽出した培養神経細胞の生存因子は分子量40K以下のタンパクである(高坂班員)。神経突起伸展因子はラミニンファミリーの基底膜タンパクであり、その受容体分子は82Kのタンパクである(三木班員)。ツメガエル初期胚細胞の分散培養系の神経細胞の分化誘導因子の作用は細胞間接触を必要とする(岡本班員)。 3.視床下部下垂体系における神経ペプチドの作用機構 松果体のメラトニン分泌制御にペプチド(NPY.VIP.SP/CGRP)とドーパミンが関与する(塩谷班員)。心房性Na利尿ペプチドの脳内受容体量とバゾプレシン分泌の間に相反関係がある(斉藤班員)。ガラニンの成長ホルモンとプロラクチンの分泌促進作用にカテコラミン、GABA、オピオイドが関与する(井村班員)。内因性オピオイドは習得的ストレスの記億・学習の想起には関与しない、またバゾプレシンV1受容体は記憶よりむしろ情動性を促進する(八木班員)。 以上の結果により脳の信号伝達の可塑性に関する神経ペプチドとアラキドン酸誘導体の作用が分子レベル、受容体レベル、個体レベルで明らかにされた。神経回路網形成の可塑性に関与する分化誘導因子、生存因子、神経突起伸展因子の特性が明らかにされ、一部その分子が抽出された。すなわち、神経回路網の形成と信号伝達の可塑性に関与する液性因子が分子レベルで理解されるに至った。
|