研究課題/領域番号 |
63113003
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
永井 克孝 東京大学, 医学部, 教授 (80072974)
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研究分担者 |
香川 靖雄 自治医科大学, 医学部, 教授 (30048962)
垂井 清一郎 大阪大学, 医学部, 教授 (00028341)
河合 忠一 京都大学, 医学部, 教授 (70025659)
赤沼 安夫 朝日生命糖尿病研究所, 所長 (00010398)
脊山 洋右 東京大学, 医学部, 教授 (90010082)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
29,000千円 (直接経費: 29,000千円)
1988年度: 29,000千円 (直接経費: 29,000千円)
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キーワード | WHHLウサギ / マクロファージ泡沫化 / LDLレセプター / HMGCoAレダクターゼ / プロスタサイクリン / リポ蛋白質 |
研究概要 |
血管壁関連脂質代謝酵素の構造解析を積極的に進めた結果、グルコース6リン酸脱水素酵素、ホスホリパーゼA2とC、HMG-CoAレダクターゼ、アンジオンテンシン変換酵素について遺伝子配列やアミノ酸一次構造の解明に成功し、他の生理活性蛋白質の配列との相同性を明らかにした。コレステロール生合成の律速酵素であるHMG-CoAレダクターゼについては、その反応生成物であるメバロン酸の微量定量法を確立し、また、その酵素蛋白質の遺伝子転写調節欠損に起因する高レベルの酵素を発現した培養細胞株の樹立に成功した。HMG-CoAレダクターゼ阻害剤も当班員により開発されており、コレステロール代謝調節機序の酵素ならびに遺伝子レベルでの研究が可能になったと言える。一方、動脈硬化の病因を理解するうえで重要な血中コレステロール値の調節機序については、LDLレセプターのリガンドであるリポ蛋白質上のアポBとアポEの役割に注目し、アポEを有するリポ蛋白質が有しない粒子よりも血中消失が極めて速くまたアポEはLDLの前駆体であるVLDLの異化を制御することにより、VLDLからのLDL生成を決定することを明らかにした。さらに高コレステロール血清から高純度のLDL画分を短時間に調整する方法を新たに開発し、高脂質血清において特徴的に増加するLDL-1の脂質が最も過酸化を受け易く、またマクロファージに取り込まれ易いことを示した。このことは動脈硬化巣形成の際に重要なアクロファージの泡沫細胞化にLDL-1の脂質過酸化が関与していることを示すものである。一方、家族性高コレステロール血症のモデル動物WHHLウサギは、肝細胞のLDL受容体の減少欠損によりLDL産生過剰と異化低下を引き起こし血中LDLコレステロールの増加を来し、さらに血中に増加したLDLが酸化を受けるとマクロファージを泡沫化することを示した。この際、抗酸化剤であるprobucolを投与すると酸化LDLの形成が抑制されWHHLウサギの粥腫形成は完全に抑制された。
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