研究課題/領域番号 |
63203009
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研究種目 |
特定研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
南園 忠則 大阪大学, 理学部, 教授 (20028210)
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研究分担者 |
大坪 久夫 大阪大学, 理学部, 教授 (30029491)
森田 正人 大阪大学, 理学部, 教授 (70028091)
松多 健策 大阪大学, 理学部, 助手 (50181722)
野尻 洋一 大阪大学, 理学部, 助教授 (90028233)
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研究期間 (年度) |
1986 – 1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1988年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 核 / 弱核子流 / 擬スカラー / 偏極 / 整列 / 芯偏極 / 角度分布 / 薄膜 / 斜膜通過法 / 静電型コリメータ / NMR / ミュオンの吸収 / スピン制御 |
研究概要 |
原子核のβ崩壊を担う弱核子流には核力の、すなわち核内メソンの力学的自由度のために、核子への移行運動量に依存する誘導項がつけ加える。この中で誘導擬スカラー項についての実験的また理論的な研究が進められる。今回は新しい技術を用いてこの誘導擬スカラー項を高い精度で決定して、弱核子流の構造とカイラル対称性や保存則の適用限度等についての知見を得る事を目的としている。この誘導項のような微小な物理量を観測するには、特に、原子核構造の詳細には依存しない実験手法が必要であり、ここでは核スピン偏極と吸収されるミュオンとの相関を取る実験を行う実験的準備から進めた。新しく開発する実験方法の基本は、偏極したμ^-の吸収反応で生成する原子核に移された核スピン偏極とか整列を測定するものである。核スピン偏極度の決定に不可欠であるスピン制御法のテストを行い、またこのためにも不可欠な、短寿命核の結晶中での超微細構造相互作用を調べた。テストにはバンデグラーフ加速器を用いて生成する^8Li、^<12>B、^<12>N、^<17>F、^<15>Oの同位元素について進めた。なお核反応で偏極が得られなかった^8Li等については人工的に偏極を得るために、斜膜通過による核偏極生成法を開発して応用した。またこれを効率良く進める目的で、新型の核反応による生成核の静電型反跳核集束器を製作し同時に薄膜としてポリエチレンテレフタレート0.25μm厚の新材料の開発も行った。そして新核種についての測定準備が整ったのでμ^-吸収過程の実験に進む。 また^<12>C(μ^-、ν)^<12>B、反応による^<12>Bの偏極の理論的予言から擬スカラ結合定数の研究を進めた。次に重陽子による負ミュオン捕獲過程O^--O^+ベータ崩壊を理論的に調べ、交換流効果についての知見を得た。また核に束縛されたμ^-中間子の崩壊にともなうベータ線角度分布を予言した。これは新たな測定量を示唆して、研究の領域を広げる。
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