研究課題/領域番号 |
63300008
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
糸川 嘉則 京都大学, 医学部, 教授 (80025593)
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研究分担者 |
木村 美恵子 京都大学, 医学部, 助教授 (60025658)
小林 昭夫 昭和大学, 医学部, 教授 (30153589)
森井 浩世 大阪市立大学, 医学部, 教授 (40046983)
矢野 秀雄 東京大学, 農学部, 助教授 (20026587)
後藤 孜郎 (五島 孜郎) 東京農業大学, 農学部, 教授 (60078079)
斎藤 昇 高知医科大学, 助教授 (40026886)
田沼 悟 福島県立医科大学, 助教授 (90117672)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
14,100千円 (直接経費: 14,100千円)
1989年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
1988年度: 10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
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キーワード | マグネシウム摂取量 / 副甲状腺ホルモン / 高温環境 / ストレス / マグネシウム欠乏 / 高血圧 / 慢性腎不全 / ライフスタイル / 糖尿病 / 腎不全患者 / 特発性高カルシウム血症 / 血漿マグネシウム濃度 / 尿中マグネシウム排泄量 / リンパ球マグネシウム濃度 |
研究概要 |
マグネシウム(Mg)に関する基礎、および臨床の諸問題について総合研究を行ない以下の成果を得た。日本人のMg摂取量の調査では1日に300mg以上のMgを摂取しているグル-プは殆ど無かった。特に都市でのMg摂取量が低いことが解明された。ヒトを対象とした研究で、ストレス、運動等によりMgの尿中排泄量が増加することが明らかにされた。動物実験では、リンが過剰に添加された飼料を食したラットではMgは体内保留量が低下すること、副甲状腺ホルモンの分泌が低下したが、食餌中のMgを増加させると副甲状腺ホルモンの分泌が増加することが示された。また、Mg欠乏ラットでは肝臓、腎臓、脾蔵などに鉄が沈着し鉄の利用が障害される可能性が示唆された。高温環境中でラットを飼育すると血清Mg濃度には大きな影響は無かったが、Mg摂取量を同じにしてもMg排泄量は増加した。これらのラットでは骨の重量が低下していた。 Streptozotocinを投与して糖尿病にした高血圧自然発症ラットでは心臓中のMgが低下し、カルシウムが増加する傾向が認められた。また、高血圧自然発症ラットでは血清中の限外濾過可能なMg量が増加し、赤血球と頭蓋骨中のMg量が低下し、高血圧の発症にMgが関与することが明らかにされた。臨床的な研究として、腎臓透析患者に低濃度のMg含有量の液で透析すると血清Mg濃度が低下し、副甲状腺ホルモンの分泌が上昇し、骨代謝に影響する事が占めされた。一方、腎不全患者では尿中Mg排泄量が減少し、Mg摂取量が通常量の2/3であるにも拘わらず高Mg血症を呈した。腎不全患者にはさらにMg摂取の制限が必要とされた。軽度本態性高血圧患者の尿中Mg排泄に血圧関連ホルモンが関与することが示された。また、けいれん等を主徴とする小児原発性低カルシウム血症患者にMg欠乏によるものが存在することを示した。
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