研究課題/領域番号 |
63301008
|
研究種目 |
総合研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
美学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
天野 文雄 大阪大学, 文学部, 助教授 (90201293)
|
研究分担者 |
中川 真 京都市立芸術大学, 音楽学部, 講師 (40135637)
山口 修 大阪大学, 文学部, 助教授 (20061583)
山路 興造 京都市歴史資料館, 主幹
吉川 周平 徳島文理大学, 文学部, 教授 (00063686)
谷村 晃 大阪大学, 文学部, 教授 (90079608)
林 公子 大阪大学, 文学部, 助手 (50183091)
山崎 正和 大阪大学, 文学部, 教授 (60067577)
|
研究期間 (年度) |
1988 – 1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
1989年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1988年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
|
キーワード | 翁舞 / 翁猿楽 / 民族芸能 / 奈良豆比古神社 / 能 / 年預 / 翁講 / 四座 / 民俗芸能 / 東山中 / 車 / 近世初期の能の翁 |
研究概要 |
民族芸能の「翁」の意義は、それ自体の価値とともに、能の「翁」研究の資料たる点にある。その両者を兼ね備えている民族芸能の「翁」には奈良豆比古神社翁舞、兵庫県加東上鴨川住吉神社翁舞、神戸市車の大歳神社翁舞などがあるが、後の二者についてはすでに詳細な調査報告がなされているので、このたびは奈良豆比古神社の翁舞を主たる調査対象としたものである。従って、この調査の目的は次のごとくであった。 (1)奈良豆比古神社翁舞の歴史と現況の把握。 (2)能の「翁」および民俗芸能の「翁」の中における位置づけ。 (1)については、奈良豆比古神社および同社翁講所蔵の未紹介史料の発掘があり、それらの文献をもとに聞き取り調査をも併せ行った結果、寛政以後の翁舞や翁講の動向をある程度把握することができた。また、実績報告書にも報告したように、同翁舞の現況についても、所作と音楽を中心に詳細に分析し、記録化することができた。これは平成元年時の詳細な記録として、将来その評価はきわめて高いものとなることは必至と言える。(2)については、奈良豆比古神社の翁舞は上鴨川住吉神社や神戸市大歳神社の翁舞と同系であり、江戸期に南部の薪猿楽や春日若宮おん祭において「翁」を独占的に演じていた「年預」の系譜を引く「翁」であることが判明した。年預は室町期以前の猿楽座の上座衆(翁の上演構をもつ長老座衆)の末裔であり、「翁」という芸能の伝承力の強さ、民族芸能の「翁」の位置と意義について、新たな認識が得られた。
|