研究課題/領域番号 |
63301075
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
一般理論
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宇沢 弘文 東京大学, 経済学部, 名誉教授 (20012106)
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研究分担者 |
藤原 正寛 東京大学, 経済学部, 教授 (40114988)
西村 和雄 京都大学, 経済研究所, 教授 (60145654)
鈴村 興太郎 一橋大学, 経済研究所, 教授 (00017550)
川又 邦雄 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (30051569)
岡田 章 埼玉大学, 政策科学研究科, 助教授 (90152298)
青木 昌彦 京都大学, 経済研究所, 教授 (90027574)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
13,500千円 (直接経費: 13,500千円)
1990年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1989年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
1988年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
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キーワード | ゲ-ム理論 / 寡占市場 / 競争と協調 / 契約と組織 / 日本経済 / 比較経済体制 / 情報の経済学 / 社会選択 / 経済循環 / 非協力交渉モデル / 自由 / 経済成長 / 社会的選択 / 人口成長 / ゲーム理論 / 契約理論 / エージェンシー理論 / ランク競争 / ナッシュ均衡 / 社会慣習 / 終身雇用制 / 情報のシェアリング |
研究概要 |
本研究計画では、経済学の主要な領域について、その理論的前提をゲ-ム理論の観点から、制度的・技術的・社会的な側面を踏まえて再検討すると共に、同時に新しい経済分析の枠組みを構築することを試みた。 1。まず第一に、経済主体の行動様式とかれらをめぐる制度的・技術的・社会的制約を明示的に考慮したゲ-ム理論の展開を試み、それによって社会制度一般を、たんなるモデルの与件としてではなくさまざまな形態をとりうる均衡の特性の違いとして分析するくつかの枠組みを提供した。たとえば、寡占産業における情報構造の違いと、それが競争と協調とのくみあわせに与える効果および厚生経済学的な帰結や政策的な含意をあきらかにした。またゲ-ム論的な立場から労働契約の形態・企業組織・企業間関係を分析し、さらにはヨリ一般的な立場から社会的規範という概念を機軸としたゲ-ム論的な均衡概念の再構築を試みた。 2。さらに、このような一連の研究は、行動様式や契約形態を明示的に分析の対象にすることによって、貿易保護政策、終身雇用、年功序列、企業系列、株式持ち合い、メインバンクといったいわゆる日本的な経済制度や社会慣行を分析する枠組みを提供することになり、日本と欧米とのあいだの比較経済体制分析を可能にした。 3。また、不完全競争モデルを基礎にしたマクロ経済学モデルの構築や均衡論的景気循環論に連関しうる非凸性や不確実性さらには内生的な人口変動を組み入れた経済成長モデルの構築をおこなった。 4。最後に、ゲ-ム理論の方法論にかんする研究がおこなわれ、従来の均衡概念にたいしてとくに情報の構造に注目した検討がさまざまな角度からくわえられた。また、自由主義的権利という概念を再考することによって社会選択理論の再構築を企てる試みもなされることになった。
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