研究課題/領域番号 |
63302020
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
鉱物学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
松井 義人 岡山大学, 地球内部研究センター, 教授 (20033128)
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研究分担者 |
松井 正典 金沢歯科大学, 講師 (90125097)
青木 秀夫 東京大学, 理学部, 助教授 (50114351)
寺倉 清之 東京大学, 物性研究所, 教授 (40028212)
塚田 捷 東京大学, 理学部, 助教授 (90011650)
丸茂 文幸 東京工業大学, 工業材料研究所, 教授 (10013492)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
9,700千円 (直接経費: 9,700千円)
1989年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
1988年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
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キーワード | 鉱物物理学 / 二体ポテンシャル / シリカ鉱物 / 構造相転移 / 計算物理学 / 計算機実験 / 分子動力学計算 / 新構造の予測 / 分子動力学法 / バンド理論 |
研究概要 |
本研究が目指したものは、物理学・科学・地球化学者の緊密なチ-ムワ-クによる、“新しい鉱物科学の"構築・推進である。この目標は具体的な成果を収め、たとえばSiO_2系については、アメリカの「新しい流れ」を確実に追い抜いた。以下に問題別に述べる。 1.SiーO系の二体ポテンシャルの理論的決定と、その分子動力学的手法への応用。これにより、“石英とクリストバライトの圧力誘起アモファス化"、“石英の低温型ー高温型転移"、“SiO_2メルトはなぜ高圧下で粘性が下るか"について、原子レベルで精密な理解が得られた。アモルファス化現象については、16mm映画、ビデオテ-プが作成された。 2.ルチル型SiO_2(スティションヴァイト)より重い多形について、高精度の密度汎関数法計算が空間群Pa3^ー(黄鉄鉱と同じ)の多形の存在を結論した。この結果は実験的には追試に成功していないが、これまでこの種の仕事を独占してきたアメリカの「新しい鉱物科学」者たちに強い打撃を与えた。 3.上述の成果によって、計算機による予測と“本物の実験"とが、競争を開始した。「アモルファス化」のうち石英は実験が先行し、クリストバライトは計算機が先行した。計算機実験は未知の4配位と6配位のSiが共存する新構造を、アモルファス化の途中で発見した。「実物実験」でも新しい相の存在が観察されているが、本質的には計算機が与えられた構造と同一と考えられる。この種の非平衡加圧は、これまでの正統的な高圧実験では合成できない準安定な新化合物の発見に積極的意義を持つであろう。 4.SiーO系以外に、MgーO、TiーO系のポテンシャルも導かれた。同時に、最終的には古典力学的な分子動力学、計算の量子効果の補正の重要性も指摘された。分子動力学計算自身の前面的量子力学化(主としてCarrーParrinelloの方法の改良)は、研究期間中には完了しなかった。
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