研究課題/領域番号 |
63303009
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
合成化学
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
鳥居 滋 岡山大学, 工学部, 教授 (70032927)
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研究分担者 |
山本 尚 名古屋大学, 工学部, 教授 (10135311)
諸岡 良彦 東京工業大学, 資源化学研究所, 教授 (70016731)
中井 武 東京工業大学, 工学部, 教授 (90016717)
村井 真二 大阪大学, 工学部, 教授 (00029050)
内本 喜一郎 (内本 喜一朗) 京都大学, 工学部, 教授 (90025958)
大辻 吉男 大阪府立大学, 工学部, 教授 (20081341)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
12,800千円 (直接経費: 12,800千円)
1989年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
1988年度: 8,000千円 (直接経費: 8,000千円)
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キーワード | 異種原子間電子移動 / 有機金属錯体 / 複合金属レドックス系 / 有機電解反応 / 光誘機電子移動反応 / 複合金属系触媒反応 / エナンチオ区別反応 / 不斉触媒反応 / 光誘起電子移動反応 |
研究概要 |
昭和63から平成元年度にわたり、次の4研究課題について、相互に綿密な情報交換を行ないながら、有機的な研究を分担して行なった。 1)有機化合物における異種原子間電子移動の特性と化学的機能 まず、新しい異種原子間電子移動反応形を設計し、その化学的機能及び特性に関する研究を行なった結果、Ti/Zn、Bb/Al、Co/Cr、Ni/Pb/Al、Ti/Al、Nb/Zn、Ta/Zn等の二成分及び三成分複合金属レドックス系で惹起する、異種原子間電子移動を、新しい炭素ー炭素結合形成反応に、結び付けることに成功した。 2)触媒活性有機金属化合物における異種原子間電子移動の特性と化学的機能 鉄、コバルト、ニッケル、白銀、ロジウム、ルテニウム等の、触媒活性有機金属化合物と、種々のケイ素化合物、オレフィン、アルキン等の有機化合物とで構成する、異種原子間電子移動過程の解明や、その複合レドックス系の特性を生かした、新しい高選択的反応の開発を行なった。さらに、生体系での物質代謝にかかわる、酵素と酵素の間の電子移動反応の制御と酵素間認識を解明するため、新しいモデル系の合成と、その電子移動経路の検討を行なった。 3)異種原子間電子移動の特性に及ぼす物理学的手法の効果とその合成化学的展開 光、電気等の物理学的手法により誘起される、電子移動反応系に於ける、キノン/NADH、4B族有機金属/共役オレフィン、ビニルハライド/スルフィド等の、酸化還元系の、電子伝達機構を解明し、その特性を生かした、新しい電子触媒系を開発した。 4)異種原子間電子移動の有機合成への展開 不斉炭素ー炭素結合合成反応を中心に、多くの研究成果が得られている。代表的なものを列挙すれば、グリオキシ酸のエステルの不斉エン反応によるαーヒドロキシエステルの合成、不斉[2+2]付加還化反応、大環状ジアルキニルイミンの合成、回転異性体制御によるオレフィンのジアステレオ画区別反応、αーアミノ酸ーホモアリルアミン不斉転写、オレフィンのヒドロシリル化及び特異的酸素化、等が挙げられる。 以上、各課題について、研究は極めて順調に進捗しているが、今後、異種原子間電子移動反応の基礎、応用、両面で、加速的な展開を計るため、より綿密な情報交換と、組織的な研究体制の確立が、強く求められる。
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