研究課題/領域番号 |
63304035
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
人体病理学
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
若狭 治毅 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (30004568)
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研究分担者 |
菊池 昌弘 福岡大学, 医学部, 教授 (80078774)
三方 淳男 千葉大学, 医学部, 教授 (40051289)
森 茂郎 東京大学, 医科学研究所, 教授 (30010424)
白川 茂 三重大学, 医学部, 教授 (20026850)
南嶋 洋一 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (80041284)
花岡 正男 京都大学。ウィルス研究所, 教授 (30027304)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
13,300千円 (直接経費: 13,300千円)
1989年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
1988年度: 6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
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キーワード | ウイルス性リンパ節炎 / 壊死性リンパ節炎 / 木村病 / 副皮質増生性リンパ節症 / AIDS / ウィルス性リンパ節炎、壊死性リンパ節炎 / 副皮質増生性リンパ節炎 |
研究概要 |
リンパ組織の反応性疾患には発生機序や原因の解明されていないものが多く、ウイルスの持続感染が疑われているものも少なくない。本研究班ではリンパ組織を主として疾患の場とする壊死性リンパ節炎、木村氏病、エイズに伴うリンパ装置の病変などに焦点をあて、幅広い検索を行なった。羅患患者はHLA11が有意義に高く、標的細胞はhelperT細胞であり、患者リンパ球とPHA刺激後の幼若リンパ球とのcocultureでは時にcytopathic effectを示すこともあり、2'5'オリゴアデニル酸合成酵素の上昇、HHV-6の検出される症例もあるなど、本症とウイルスとの関連が窺われる。また、壊死巣周辺の芽球化したT細胞に高頻度にc-fos遺伝子産物の発現を認め、細胞内でc-fosの産生を刺激し続ける機構の存在を示唆した。木村病については、再発リンパ節およびリンパ節周囲の軟部組織を検索したがこれらの部位では木村病固有の病態が同質かつ同時性に進展していくことが窺えた。本症の成立ちとIgEとの関連がうかがわれる。エイズにおけるリンパ装置の破壊に関する研究では、胚中心樹枝状突起細胞は早期に破壊するが、T領域組織球はかなりあとまで残存し、洞組織球は最末期まで残存する。高頻度に合併する悪性リンパ腫は節外性のBリンパ腫が多く、EBウイルスの感染が高頻度にみられた。形質細胞腫例での胸水内S-100陽性細胞はinterdigitating cellに近似し、侵出マクロファ-ジとの関係を示唆された。 さらに、interdigitating cell sarcomaを免疫源としたモノクロ-ナル抗体(ID1)を作製した。また、致死性伝染性単核球症のin situ hybridizationによるEBウイルスのgenomeを同定や、IL-2とIL-2受容体α、β鎖との結合による増殖機構の関係およびRL focusの性状、Tβγ^+、Tδγ^+cellの分布をを明らかにするなどリンパ組織の基本病変を理解する上で大きな進歩がみられた。
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