研究分担者 |
山村 行夫 聖マリアンナ医科大学, 教授 (40081658)
真鍋 重夫 東京大学, 医学部・医学科, 助教授 (90165928)
堀口 俊一 大阪市立大学, 医学部, 教授 (60046828)
島 正吾 藤田学園保健衛生大学, 医学部, 教授 (40084511)
石西 伸 九州大学, 医学部, 教授 (80037340)
松本 信雄 東京慈恵会医科大学, 衛生学, 教授 (30009998)
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配分額 *注記 |
16,600千円 (直接経費: 16,600千円)
1990年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1989年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
1988年度: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
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研究概要 |
先端産業で用いられる新しい金属類の急性毒性、慢性毒性、癌性、発生毒性、免疫毒性、変異原性、特異毒性、代謝などを分担して調べ、今後の予防医学の基礎デ-タを確立した。 (1) Ni合金は、マウス大腿部埋入で高率に腫瘍発生を示したが、InAsやInpはハムスタ-気管内注入で催腫瘍性は認められなかった。GaAsやGapの腹腔内投与で自然発生腫瘍の増加を示した。これらの金属の発癌性は、金属自体の化学的性質の他、溶解性、腐食性、表面構造も関与していることが明らかにされた。 (2) 免疫毒性に関しては、Be,Pt,Ni投与マウスの脾中IgG産生細胞の増加がみられ,その程度はN_2>Pt>Beであったが、Zr,Coは変化を示さなかった。Inはマウス胸腺萎縮と脾の肥大,細胞免疫および液性免疫を抑制した。今後,これらの金属の指標として免疫毒性が重要であろう。 (3) 発生毒性では、Niが種々の毒性を示すことが示された。 (4) 変異原性では、Be,As,Ga,SbはレックアッセイでDNA損傷性がみられたが、エ-ムステストでは突然変異はみられなかった。又、SbとBeは、V79榜胞で姉妹染色体交換誘起性を示した。 (5) 代謝学的研究では、Geは腎を介して早急に排泄されること,腎障害動物では排泄が遅れること,トリメチルアルシンは経口投与後1日内に大部分が尿に排泄されること,毒性では,アルシン>トリエチルアルシン>トリメチルアルシンの順であること,またSbは赤血球膜浸透圧抵抗に変化を与えること,Inは腎尿細管を低濃度で障害することなとが明らかにされた。 これらの知見は,新しい金属類の毒性学の基礎デ-タとなり,これを基に予防医学(産業労仂者および一般生態系)が発展すると思われる。
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