研究課題/領域番号 |
63304050
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
猪木 令三 大阪大学, 歯学部 (60028719)
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研究分担者 |
森本 俊文 大阪大学, 歯学部, 教授 (20028731)
船越 正也 朝日大学, 歯学部, 教授 (10075989)
辻本 明 広島大学, 歯学部, 教授 (90034181)
重永 凱男 広島大学, 歯学部, 教授 (90028770)
小椋 秀亮 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (20013831)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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キーワード | 口腔領域 / 侵害刺激 / 歯髄 / 炎症 / プロスタブランジン |
研究概要 |
口腔領域の各種侵害刺激に対する反応を末梢と中枢で形態、機能両面から多角的に追及した。歯髄に対する窩洞形成等の侵害刺激により産生されたBKはライソゾームのエンケファリン産生酵素を活性化して侵害刺激に対応することが示された(猪木)。この際に歯髄循環系に対しては知覚神経線維からのPGの遊離が歯髄血管拡張に関与することが明らかになった(伊藤)。また窩洞形成後の露出象牙質では象牙細管の透過性、および神経末端の細管口に対する位置により神経応答が決まることが示された(堀内)。これに対して骨組織に接触してインプラントを植立しても神経線維の分布がみられなく、感覚受容機構とは無関係であった(永井)。糖尿病ラット歯肉、血管ではPGIの産生が低下し炎症増悪因子の遊離がみられ、歯周病増悪をおこすことが示された(辻本)。またヒト唾液にはヒスタミン遊離活性を示す蛋白が存在し、口腔内炎症への関与が調べられている(古田)。研究手法の確立としては、歯根膜細胞のコラーゲン中での培養の成功(小椋)、硬組織の侵害刺激応答におけるプロテアーゼの役割を調べるためのカテプシンの精製とその抗体の作成(加藤)、歯牙にHRPを注入して三又神経節内におけるHRP標識細胞の配列の決定(重永)など今後の研究に有用な手段が得られた。口腔領域の機械的、温度的侵害刺激、および味刺激により唾液分泌誘発がみられ、各々に独立した副交感神経系の関与が示された(森本)。痛みに関する研究ではカプサイシンによるSP含有知覚神経の変性で針麻酔の効果が消失した(船越)。歯髄の温度刺激に反応する細胞は大脳皮質体性感覚野のうち3b野のIII-V層に局在し(角野)、三又神経核ニューロンは同一歯髄を受容野とする他のニューロンにより調節を受けていることが明らかとなった(佐藤)。本総合研究の遂行により多くの新しい知見が得られ、今後の研究の大きな基礎ができたものと思われる。
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