研究課題/領域番号 |
63306020
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研究種目 |
総合研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子通信系統工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
甘利 俊一 東京大学, 工学部, 教授 (80010726)
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研究分担者 |
石井 直宏 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (50004619)
塚田 稔 玉川大学, 工学部, 教授 (80074392)
福島 邦彦 NHK放送技術研究所, 視覚情報研究部, 主管研究員
杉江 昇 名古屋大学, 工学部, 教授 (30126867)
鈴木 良次 東京大学, 工学部, 教授 (80013811)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
1988年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
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キーワード | 神経計算学 / 並列学習情報処理様式 / 神経回路網モデル / 自己組織系並列思考系 / 認知心理 / コネクショニズム |
研究概要 |
神経計算学は神経回路網が従来のノイマン型計算機の直列情報処理に代わって、学習と自己組織によって知識構造を構築していくシステムを有していることから、これらの神経回路網の高度な情報処理の動作原理を明らかにする新しい学問体系である。本年度は以下の研究を行った。 1.脳の知的情報処理様式について究明するため、神経生理学、認知心理学研究者と一緒に研究討論を行って来た。内容として、感覚情報と運動情報の統合野の働き、大脳における図形情報の分析と統合、視覚記憶部と海馬との結合、側頭溝における視覚情報処理、さらに視覚系における神経回路の形成の研究等が近年の脳の情報処理の先端的研究として、目ざましいものがあり、本研究課題の推進にきわめて重要な役割を果す。 2.神経回路網の並列情報処理を担う視覚情報処理モデル、聴覚情報処理モデルの研究は神経情報処理モデルの基礎として大切である。今まで位置によらないパターン照合を行う神経回路、時変パターンに対する特徴検出回路の自己組織化、さらに動物軌道を生成する神経回路モデルと連続音声認識の可能性、視覚野での画像再構成等の研究成果を発表し討論を行った。またパタン認識過程のモデル化として、ネオコグニトロンのボトムアップおよびトップダウンの同時処理により新しい情報処理機能を有することが明らかとなった。 3.並列学習処理方式の研究が神経計算学の基礎的な原理を担っている。本研究グループは代表者を中心に統計力学、神経場の理論解析を押し進め、新しい体系を作りあげて来た。学習方式として相互フィードバックの状態と結合係数の相補関係に基づく学習、並列多重分散記憶モデル、神経回路における動的パターンの記憶モデル等の研究成果をあげて来た。 4.第1世代から第5世代に至る直列処理型コンピュータの限界を突破する道として、神経計算学の新しい体系の構築が重要な緊急課題である。
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