研究課題/領域番号 |
63308016
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研究種目 |
総合研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
宮崎 保 北海道大学, 医学部, 教授 (10075161)
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研究分担者 |
仁保 喜之 九州大学, 医学部, 教授 (60091287)
内野 治人 京都大学, 医学部, 教授 (40034615)
高久 史麿 東京大学, 医学部, 教授 (40048955)
柴田 昭 新潟大学, 医学部, 教授 (10004772)
新津 洋司郎 札幌医科大学, 医学部, 教授 (10045502)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
500千円 (直接経費: 500千円)
1988年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 白血病増殖 / GM-CSF受容体 / 肝IL-2システム / tax-1 / ras遺伝子 / 白血病細胞の特性 / アミラーゼ産生骨髄腫 / L-CFU |
研究概要 |
白血病細胞の増殖特性について検索した。白血病細胞株の解析によりGM-CSF特異的受容体(高親和性と低親和性)が存在することを明らかにし、ANLLの全例とALLの半数例とにその発現がみられた。G-CSF、GM-CSF、IL-3は白血病細胞増殖作用を有し、一方、一部の細胞にはGM-CSF、G-CSFmRNAが発現され、autocrine増殖の関与も示唆された。トランスフェリン合成とreceptorを介するautocrine増殖の存在も示唆された。tax-1cDNA発現ベクターをT細胞株に導入し、ATLにおけるIL-2受容体α鎖の異常発現にはHTLVー1由来遺伝子活性化蛋白taxー1がcell cycle依存性に作用し、ILー2mRNAの発現もみられ、ATLにおけるILー2システムの異常活性化による増殖機構の存在が示された。CML急転にN-ras遺伝子の活性化の関与が一部にみられ、ILー3依存性細胞株にH-ras発現プラスミドを導入してILー3非依存性悪性増殖能を誘導する研究により白血病細胞の増殖におけるras遺伝子群の関与も示唆された。CMLのtyrosine kinase活性測定により増殖と分化におけるキナーゼ関与の差異が示唆された。白血病細胞の分化と細胞起源では、リンパ系腫瘍のIg重鎖再構成構造をDJ結合かVDJ結合型かについて検索し、成熟B細胞腫瘍がB-precursor由来であること、hybrid leukemiaではより未分化な細胞由来であることを明らかにし、またTCR α/δ鎖を有するT-CLLの最初の4例を解明した。白血病病態の検索では、M7におけるTGFβ産生が骨髄線維化をもたらす機序、bcr再構成を示さないCML類似症候群の存在、赤血球酸性フェリチンのMDS診断への有用性について興味ある知見を得た。アミラーゼ産生骨髄腫が染色体IPZIに座位するamylase遺伝子の転座、活性化によるという知見とともに、その疾患entityが示唆された。最後に、治療抵抗性に関与する因子の解明の試みとして、治療抵抗性と自己複製能とを有する前駆細胞(L-CFU)の増大と生体内分布との関連性が示唆される結果を得た。
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