研究課題/領域番号 |
63308026
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研究種目 |
総合研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
原田 宏 筑波大学, 生物科学系, 教授 (90015991)
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研究分担者 |
日向 康吉 東北大学, 農学部, 教授 (00005589)
磯貝 彰 東京大学, 農学部, 助教授 (20011992)
鈴木 昭憲 東京大学, 農学部, 教授 (90011907)
藤伊 正 筑波大学, 生物科学系, 教授 (20011611)
鎌田 博 筑波大学, 生物科学系, 助教授 (00169608)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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キーワード | 外来遺伝子の伝達 / 高等植物生殖機構 / 細胞学的解析 / 受精 / 生殖生長への転換 / 配偶子分化 / 胚発生 / 分子生物学的解析 |
研究概要 |
高等植物の生殖機構について我が国及び諸外国における基礎及び応用研究の現状と動向を細胞・分子生物学的側面を中心に調査・検討した。その結果、生殖機構を(a)生殖生長への転換機構、(b)配偶子の分化制御、(c)受精及び胚の発生機構、(d)生殖過程における外来遺伝子の伝達に大別することができ、その各々において最近新たな展開が見られつつあることが判明した。生殖生長への転換においては、花芽分化誘導直後新たに出現するRNAや蛋白質が同定され、分子生物学的解析の基礎ができつつある。また、花芽分化や花芽の発達に関与する突然変異株の作出やそのような遺伝子の染色体上での位置等も同定されつつある。さらに、花芽分化を調節すると考えられる物質の同定も進められており、花成ホルモン研究は新たな段階に入りつつある。配偶子の分化制御については、雄性配偶子分化時に見られる減数分裂機構に関わる蛋白質が単離され、遺伝子の単離も行われており、その機能解明が待たれる。また、雄性不稔現象についても、その主原因がミトコンドリアにおける遺伝子の構造変化にあることが各種植物で明らかにされつつある。受精及び胚発生については、さまざまな研究が進められている。試験管内受精や胚・胚珠培養による新品種の育成は様々な植物で行われており、既に実用品種も作成されているが、雑種胚致死の原因については不明な点も多く、今後の発展のためにはさらに広範な研究が必要である。また、胚発生については試験管内で見られる不定胚形成を中心に解析が進められており、胚発生時に出現する蛋白質の同定や遺伝子の単離も行われている。しかし、体細胞が不定胚形成能を有する細胞へと変化する過程については研究が進められておらず、この点の解析が待たれる。トランスジェニック植物を用いた外来遺伝子の安定性に関する研究は未だ小規模なものであり、育種を前提とした大規模な実験が待たれる。
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