研究課題/領域番号 |
63308030
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研究種目 |
総合研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
柳田 敏雄 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (30089883)
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研究分担者 |
木下 一彦 理化学研究所, 生物物理, 副主任研究員 (30124366)
若林 克三 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (00029521)
児玉 孝雄 岡山大学, 歯学部, 助教授 (30034200)
神谷 律 名古屋大学, 理学部, 助手 (10124314)
月田 承一郎 東京都臨床研, 超微形態, 室長 (50155347)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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キーワード | エネルギー変換 / 化学ー力学共役 / 分子ダイナミックス / タンパク質機能 |
研究概要 |
筋収縮をはじめとする生体運動の本質は、運動系を構成する構造タンパク質集合体の相対的滑りによる化学エネルギーの力学エネルギーへの変換である。実験と理論の両面からこの滑り運動の素過程を追求し、その分子機構を理解することは基礎生物学研究の緊急課題である。そこで、(A)滑りの分子ダイナミックス、(B)滑り運動系の微細構造、(C)滑り運動の多様性と統一性の3つの面から総合的に研究の現状を分析し、研究計画、研究目標を討論し、研究グループを形成し、具体的研究プロジェクトを企画することを目的として本研究班が組織された。 (A)柳田(研究代表者、阪大)、(B)月田(研究分担者、都臨床研)、(C)神谷(研究分担者、名大)がそれぞれ中心となって、本研究班班員のみならず、生体運動をはじめ、タンパク質の構造・機能研究分野における主だった研究者と討論の機会を作り、研究の現在と将来を分析考察し、研究計画を練った。これらの現状分析、研究計画を総括するために、4回にわたって班会議(大阪2回、東京、岡崎)を開催した。その結果、滑り運動における化学ー力学エネルギー変換分子機構を理解するには、旧来の"首ふり仮説"のようにタンパク質分子の大きな変形を化学反応と1:1に対応させ、それを巨視的な滑り運動に直結させる機械論的な考え方でなく、"生物における化学ー力学反応の共役は、非化学量論的に起こる"とする新しい概念が必要であることで意見の一致をみた。これに基づいて、重点領域研究として発展させるための具体的プロジェクトをつくり、それらが充分な成果として結実できるようにする具体的な方策についての検討を行った。とくに、滑り運動中のタンパク質分子の力学的、化学的状態を高分解能で定量化する研究方法の開発、多角的研究方法の結集と理論と実験の密接な連携を計ることを重視することとなった。
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