研究課題/領域番号 |
63410003
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
森田 洋司 大阪市立大学, 文学部, 教授 (80086181)
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研究分担者 |
山縣 文治 大阪市立大学, 生活科学部, 助手 (10159204)
清水 新二 国立精神神経センター, 研究員 (40113493)
本村 汎 大阪市立大学, 生活科学部, 教授 (90047027)
片桐 雅隆 大阪市立大学, 文学部, 助教授 (90117937)
磯部 卓三 大阪市立大学, 文学部, 教授 (10081811)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
10,200千円 (直接経費: 10,200千円)
1989年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1988年度: 7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
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キーワード | プライバタイゼ-ション(私化) / 不登校(登校拒否) / いじめ問題 / 非行問題 / 青少年問題 / 教育問題 / 社会病理現象 / 社会病理 / 登校拒否 / いじめ / 犯罪・非行 / プライバタイゼーション / 離脱行動 |
研究概要 |
本研究では、現代社会の主要な動向として「プライバタイゼ-ション」を取り上げ、この動向と児童・生徒の問題行動との関係を解明することを目的としている。「プライバタイゼ-ション」に関しては「市民意識調査」、「生徒調査」、「教師調査」の三グル-プにたいして調査を実施し比較した結果、教師グル-プにおいてその進行が最も顕著であることが分かった。また、問題行動としては「不登校」「いじめ」「非行行動」をとりあげ、全国の政令指定都市および東京都区部の中学二年生を対象として調査を実施した。「不登校」の公式統計では、中学生の発生率は0.61%にすぎないが、不登校による欠席群、早退・遅刻群のすべてを含めると対象生徒の25.1%に達し、「不登校」現象の全容とその広がりの大きさが明らかとなった。また、「不登校」の要因は、生徒と学校社会との「社会的な絆」の細さにあり、そのためわずかなきっかけによって学校社会との絆が容易に切断されることによって発生することが判明した。また、「いじめ」問題では、見て見ぬふりをする「傍観者」層の存在が「いじめ」の促進に重要な働きをもっていることが明らかとなったが、この層の出現は現代社会の「プライバタイゼ-ション」と密接な関係にあり、学校場面だけでなく、家族関係を通じた社会化によっても形成されてくる可能性が高いことが明らかとなった。また、「非行行動」もその背景に「プライバタイゼ-ション」が関連していることが明らかとなった。以上の「不登校」「いじめ」「非行」という一連の問題行動群は、相互に関連しつつ現象化しており、そのため、現在最も顕著な形で社会問題化している「不登校」現象においても、こうした一連の問題行動群との関連において理解する必要があり、その共通の背景として「プライバタイゼ-ション」のネガティブな側面の進行にたいする対応策の必要性が生じていることが判明した。
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