研究分担者 |
中森 亨 東北大学, 理学部, 助手 (00192229)
遅沢 壮一 東北大学, 理学部, 助手 (40160866)
箕浦 幸治 東北大学, 理学部, 助教授 (10133852)
小笠原 憲四郎 東北大学, 理学部, 助教授 (20110653)
森 啓 東北大学, 理学部, 教授 (00004466)
永広 昌之 東北大学, 教養部, 助教授 (10124554)
蟹沢 聡史 東北大学, 教養部, 教授 (70005784)
|
配分額 *注記 |
28,100千円 (直接経費: 28,100千円)
1990年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1989年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1988年度: 21,000千円 (直接経費: 21,000千円)
|
研究概要 |
関東構造盆地の成立過程 鮮新世中期に,現関東構造盆地全域にわたり,北方傾下の円弧すべり型陥没が生じ,中・北部は沈降し,南端部は隆起した。隆起部も離水せず,海底における崩壊・侵蝕により不整合が形成された。この陥没により上総層群の堆積盆が形成された。上総層群下部の勝浦層・黄和田層は隆起部の内側深所に堆積した砕屑岩より成り,降下火砕岩をはさむ,最下部の黒滝層はその外側に接する隆起部の斜面上に接する崩壊堆積岩及び降下火砕岩より成る。砂・シルトは凹所を埋積した後,隆起部をも覆うに至り,大田代・梅ケ瀬層を形成した。それ以後,砂・シルトの堆積はほぼ全域にわたり,梅ケ瀬層以上の諸層を構成した。降下火山灰は南〜西方から供給され,海底に沈積して諸層中に夾在する凝灰岩層となった。大田代層などの中の砕屑岩の相層変化,堆積構造は,前記の隆起部の不斉一な上昇を示す。その傾向はさらに市宿層・万田野層等の砂礫岩の分布に顕著に現れる。各層の層厚変化は笠森層及びその上位の下総層群では著しくなく,前記の堆積盆がほぼ埋積され尽し,以後は一様に沈降したことを示すが,下総層群中にも,現東京湾岸地域には局部的な堆積間隙が認められ,沈降が全く均一ではなかったことを示す。 下総層群の最終的堆積面は中部更新世末に離水した下未吉面である。下未吉面の変形はさきの上総層群の堆積盆とは異り,北北東ー南南西の軸をもつ緩かな向斜を形成し,その南東縁には勝浦ー大多喜一帯の北北東ー南南西走向の正断層群が顕著である。 このように関東構造盆地は相模トラフに平行な軸をもつ陥没盆地と,日本海溝に平行な軸をもつ向斜との組合せから成り,海岸平野の高度分布や最近の地震時の変動もこの傾向を受けついでいる。
|