研究分担者 |
砂川 一郎 東北大学, 名誉教授 (20004426)
青木 謙一郎 東北大学, 理学部, 教授 (00004276)
林 謙一郎 東北大学, 理学部, 助手 (40124614)
北風 嵐 東北大学, 理学部, 助手 (90035064)
塚本 勝男 東北大学, 理学部, 助手 (60125614)
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配分額 *注記 |
26,800千円 (直接経費: 26,800千円)
1990年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1989年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1988年度: 20,700千円 (直接経費: 20,700千円)
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研究概要 |
本研究の初期主目的は、鉱物と溶液間の反応カイネティックスの研究に有効な研究方法と装置を開発することであった。本研究では初期の目標を上まわり、従来の方法と比較し格段に優れている3種の新しい実験方法及び装置の開発を行うことができた。第一の実験方法はその場観察法を応用するもので,微分干渉顕微鏡を用い、また滴定方法をも応用し高温高圧の領域まで実験が可能となった。新しく開発した装置を用いて,溶液中における結晶の溶解と成長を支配する種々のカイネティクスのパラメ-タ-(反応速度,反応メカニズム等)を,石膏,硝酸バリウム,KーAlum,CdICC2DD等について25゚Cで求め、さらに重晶石については25〜200゚Cの温度条件で求めた。第二の新実験方法は、高温において固相と反応する溶液中の溶在種と濃度を、分光装置を用いその場で決源する方法である。この方法を用い,PbSーNaClーHCC2DDO系について,25ー350゚C間の研究に成功した。新しく開発された第三の実験装方法は、酸化・還元反応を伴う鉱物と溶液の研究に重要な,高温溶液の酸化・還元状態のコントロ-ルを硫黄の加水分解を応用し行う手法である。この方法を用いて、金及び黄鉄鉱の水溶液の中での溶解度と溶解速度を250ー350゚C間で求めた。さらに上記の実験で得られた生成物の硫黄の同位体比を測定することにより、高温熱水溶液中における溶存種間の酸化還元反応のカイネティックスについての情報を得た。上記の研究結果及び本研究下で行なわれたその他の研究結果は、地殻及び水圏における種々有用元素の集散を支配する法則を確立するための重要な貢献と言える。
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