配分額 *注記 |
29,100千円 (直接経費: 29,100千円)
1990年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1989年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
1988年度: 21,000千円 (直接経費: 21,000千円)
|
研究概要 |
分子線を用いる固体表面の研究として,まずシリコン(001)表面とアセチレンの反応による炭化シリコン膜の生成機構について詳細に研究した。炭化シリコン膜は1000Kより高い温度で形成されるが,入射分子線が少ない条件では表面反応が律速になり,エピタキシャル成長し,入射分子数が多くなると内部から表面へのシリコン原子の供給が問に合わなくなり,カ-ボンリッチな膜が表面に形成されて,炭化シリコン膜の成長が阻害されることが明らかにされた。 分子線をパルス化して反応生成物が現れる時問的分布を観測する方法は,分子線緩和法の一種であるが,我々はこの方法に国内で始めて挑戦し,パルス酸素分子線を用いてシリコン(001)および(111)表面からの一酸化シリコン分子の生成速度の測定に成功した。この反応では,生成物出現までに誘導時問が観測され,出現波形の解析から中問体を径る逐次反応であることが結論された。また,反応後の表面の電子顕微鏡像から,反応は不均一に進み,ステップやエッジが反応活性点であることが明らかにされた。 紫外線レ-ザ照射された固体表面と気体分子との相互作用について研究するため,レ-ザ照射に伴って表面から飛来する分子を質量分析計で検出し,分子の運動量を飛行時問法で求めた。その結果,数電子ボルトに達する高速分子が生成していることを発見した。その結果,数電子ボルトに達する高速分子が生成していることを発見した。その発生機構についてはなお研究中である。 シリコン(001)表面に,数百電子ボルトのネオンイオンビ-ムを照射すると,一部は中性化されて弾性的に散乱する。表面に水分子を吸着させてゆくと,その中性化割合は増加するが,それとは対照的にイオンによってはじき飛ばされた酸素原子は水分子の吸着と共にイオン化割合が増加するという興味ある現象を発見した。
|