配分額 *注記 |
28,200千円 (直接経費: 28,200千円)
1991年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1990年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1989年度: 11,900千円 (直接経費: 11,900千円)
1988年度: 11,900千円 (直接経費: 11,900千円)
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研究概要 |
本研究では作物のソ-ス器官とシンク器官について,光合成産物の転流と蓄積に関係する組織・細胞の構造を透過型と走査型の電子顕微鏡を使って観察し,さらに糖分析も行ない,転流と蓄積の機構を検討した。得られた研究成果は次の通りである。 1.水稲葉身の老化に伴なう転流機能の衰退機構を検討するため,葉緑体と師部の電顕観察を行ない,後生師部の退化が転流機能の衰退に関係していることを明らかにした。 2.イネ科植物38種の葉緑体について,周辺網状体の発達程度を比較しこの構造体が物質輸送よりも水分生理に関係しているものと推定した。 3.マメ科作物の葉の小脈に存在する師部転送細胞を電顕観察し,その種間分布を明らかにするとともに,細胞壁内部突起の発達に及ぼす温度処理と遮光処理の影響を調べ,さらに細胞壁内部突起の形成過程を明らかにした。これらの結果に基づき師部積荷機構を検討した。 4.コムギ稈に含まれるオリゴフルクタンの登熟に伴う変動を測定し,稈が余剰光合成産物の貯蔵所となっていることを明らかにした。 5.水稲下位節間のプラスチドを走査電顕により観察し,組織・細胞におけるデンプン粒の存在状態を明らかにした。 6.動物細胞の電顕観察法として開発されたOーDーO法(OsmiumーDMSOーOsmium method)をコムギ胚乳細胞とエンドウ子葉細胞の観察に適用できることを実証した。 7.ジャガイモ塊茎の肥大に伴うプラスチドの構造変化を電顕観察し,デンプン粒の形成過程ならびにプラスチドの増殖過程を明らかにした. 8.ジャガイモ塊茎における維管束の走向を観察し,光合成産物の輸送経路を推定した。
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