研究課題/領域番号 |
63440028
|
研究種目 |
一般研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
免疫学
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
笹月 健彦 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (50014121)
|
研究分担者 |
柳川 右千夫 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (90202366)
木村 彰方 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (60161551)
西村 泰治 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (10156119)
|
研究期間 (年度) |
1988 – 1990
|
研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
|
配分額 *注記 |
30,300千円 (直接経費: 30,300千円)
1990年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1989年度: 8,700千円 (直接経費: 8,700千円)
1988年度: 16,600千円 (直接経費: 16,600千円)
|
キーワード | 免疫遺伝学 / HLA / 免疫抑制 / 疾病感受性遺伝子 / 抗原提示 / DNAタイピング / ポリメラ-ゼ連鎖反応 / 形質転換細胞 / 免疫遺伝 / ポリメラ-ゼ鎖反応 / トランスフェクタント / 免疫応答遺伝子 / HLA-DQ / 溶連菌抗原 / T細胞増殖反応 / HLAーDR分子 / HLAーDQ分子 / トランスジェニックマウス / リンパ球混合培養反応 / L細胞 / 限界希釈分析法 / 前駆体T細胞頻度 |
研究概要 |
ヒト主要組織適合抗原系(HLA)は、その特定の対立遺伝子と免疫異常に起因する疾病との強い相関より、疾病の遺伝要因として重要であると考えられている。本研究は、HLAによるヒト免疫応答および疾病感受性の個体差の形成機序を、解明することを目的とし、以下の成果を納めた。 1)HLA領域の遺伝子構成の解析:21水酸化酵素欠損症の原因として、偽遺伝子と機能的遺伝子との問に生じた遺伝子変換による場合が、存在することを明らかにした。 2)HLAーDQの機能に関する研究;各種の抗原に対する免疫低応答性と、特定のHLAーDQ対立遺伝子との強い相関をDNAレベルで明らかにし、低応答性が優性形質であることを集団レベルでも確認した。低応答者にのみDQと抗原を認識する CD4AA+BBT細胞が存在し、これが免疫抑制活性を有するCD8AA+BBT細胞の増殖および活性化を誘導することを明らかにした。 3)HLAーDQトランスジェニクマウスの解析;HLAーDw12ハプロタイプに由来するDQw6遺伝子を、B6マウスに導入し発現させた。このマウスは、溶連菌抗原に対する免疫応答性を獲得し、大腸菌抗原に対する応答性を喪失した。つまりDQ遺伝子の発現により個体の免疫応答性を変えることに成功し、in vivoにおけるHLA分子の機能を解析する実験系を確立した。 4)疾病感受性遺伝子の解析;インスリン依存型糖尿病、慢性関節リウマチなどの自己免疫疾患と、HLAーDRあるいはDQ対立遺伝子との相関を、DNAレベルで同定した。 本研究を通じて、特定のHLAーDQ対立遺伝子が、特定の抗原に対する免疫低応答性を、優性形質として決定することにより、免疫応答の個体差を支配し、これが免疫異常に起因する疾病の遺伝要因となっている可能性を示した。
|