研究課題/領域番号 |
63440033
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
土屋 雅春 慶應義塾大学, 医学部・消化器内科, 教授 (60051124)
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研究分担者 |
末松 誠 慶應義塾大学, 医学部・消化器内科, 助手 (00206385)
三浦 総一郎 慶應義塾大学, 医学部・消化器内科, 講師 (50138012)
朴沢 重成 慶應義塾大学, 医学部・消化器内科, 助手 (40181482)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
14,200千円 (直接経費: 14,200千円)
1990年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1988年度: 9,500千円 (直接経費: 9,500千円)
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キーワード | 活性酸素 / 臓器微小循環 / 顆粒球 / 虚血性肝障害 / デジタル画像解析 / 超高感度光子撮像管 / 血管内皮細胞 / キサンチン酸化酵素 / 虚血 / 化学発光 / dichlorofluorescin / digital image processor / 血小板活性化因子(PAF) / 微小循環障害 |
研究概要 |
昭和63年度は本研究に不可欠の技術である生体顕微鏡観察下の超微弱光撮像技術の確立を行った。暗室内で、光子エネルギ-を百万倍に増幅して得られる電気信号から二次元イメ-ジを得る方法により、まずin vitroにおいて培養白血球の活性酸素放出反応の撮像を単一細胞レベルで行うことに成功した。この際プロ-ブとして用いた化学発光剤であるluminolの発光機序が、O^-_2から生じるH_2O_2とmyeloperoxidaseから生じる次亜塩素酸イオン(CIO^-)によるものであることを明らかにした。このプロ-ブの利用により生体内の微小循環内の膠着顆粒球の活性化に伴う活性酸素の放出を撮像する試みを平成元年度より実施し、血小板活性化因子(PAF),あるいは内毒素投与によるDICモデルにおいて、腸間膜微小循環内皮に膠着した顆粒球がin vivoで活性酸素を放出することを世界で初めて証明した。一方化学発光法による細胞外への活性酸素生成反応の証明と並行して、細胞内の酸素代謝異常と活性酸素生成動態を臓器微小循環レベルで行うことも試みられた。平成2年度にはラット分離潅流肝の表面を生体顕微鏡で撮像し、活性酸素生成に反応して蛍光物質となる dichlorofluorescin diacetate(460nm→530nm)と障害された細胞の核内でDNAと反応して赤色蛍光を発するpropidium iodide(530nm→590nm)を用い、肝小葉での活性酸素生成と細胞死と時間的・空間的解析を行う系を確立した。これによれば (i)薬剤性肝障害では小葉中心性壊死は最下流にあたる終末肝細静脈の周辺から上流へ進展し。これに先立ち同部位で活性酸素の生成がおこる。(ii)虚血性肝障害では終末脈枝と肝細静脈枝の中間にあたる、いわゆるmidzoneでのみ活性酸素が生成され、同部位でおきた細胞障害を契機として下流へ細胞壊死が進展することが明らかとなった。3カ年の研究により化学発光法と蛍光法を用いた微小循環での活性酸素生成動態の撮像法の基礎は確立された。
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