研究課題/領域番号 |
63440054
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
田村 晃 帝京大学, 医学部, 教授 (80111532)
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研究分担者 |
藤江 和貴 帝京大学, 医学部, 助手 (90228966)
中山 比登志 帝京大学, 医学部, 講師 (00147050)
戸向 則子 帝京大学, 医学部, 教務職員 (30192214)
後藤 修 帝京大学, 医学部, 講師 (40134598)
桐野 高明 帝京大学, 医学部, 助教授 (10161605)
高木 清 帝京大学, 医学部, 講師 (40197059)
水野 重樹 帝京大学, 医学部, 助手 (60200010)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1991
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
25,300千円 (直接経費: 25,300千円)
1991年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
1990年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
1989年度: 6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
1988年度: 10,700千円 (直接経費: 10,700千円)
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キーワード | 脳虚血 / ラット / グルタミン酸 / 記憶 / 学習 / 神経伝達物貭 / 神経伝達物質 / アスパラギン酸 / MKー801 / 迷路学習 / 黒質 / 視床 / 脳血流量 / 脳グルコース代謝 |
研究概要 |
本研究の目的は、虚血後に惹起される神経細胞傷害の長期間にわたる進行性病態を明らかにすることで、このような病態の進行には、神経伝達物質、特に興奮性アミノ酸や抑制性神経伝達物質などが関与していると推定される。そこでラット中大脳動脈閉基による局所脳虚血モデルを用いて(1)病理組織学的検討、特に神経伝達物質の関与が大きいと推定される非虚血部である視床。黒質などの病理組織学的変化の長期間観察、神経伝達物質の測定、(2)行動学習機能の測定、(3)神経伝達物質、特にグルタミン酸レセプタ-阻害剤による抗虚血効果の検討を行った。その結果(1)同側視床、黒質は数週間の経過で除々に変性、萎縮してゆき、黒質神経細胞の遅発性傷害には抑制性神経伝達物質の低下による脱抑制機序に起因していることが明らかになった。また、これらの遅発性の変性は臨床例においても認められることが判明した。(2)受動的回避反応および能動回避反応の測定により局所脳虚血後に行動学障害が認められ、数週間以上の長期間に渡って持続すること、能動的回避反応の障害程度と脳梗寒による脳萎縮率とは良く相関するが受動的回避反応の障害程度と脳萎縮率とは相関しないこと、TRH投与がこれらの行動学習障害を改善させることが明らかになった。(3)虚血中心ではグルタミン酸、アスパラギン酸の著明な増加が長時間持続するものに対して、虚血辺緑部では-過性に増加した後に前値に戻ることが判明した。興奮性アミノ酸受容体の阻害剤であるMKー801の前投与または直後投与により、24日間後の梗寒領域は虚血辺緑部で有意に減少することが明らかになった。これらの結果から、神経伝達物質の関与した神経細胞傷害は虚血急性期においても慢性期においても重要であることが明らかとなり、これらに対する治療法も可能であると推定された。
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