配分額 *注記 |
20,300千円 (直接経費: 20,300千円)
1990年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1989年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
1988年度: 11,400千円 (直接経費: 11,400千円)
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研究概要 |
フェオフオルバイト(PHー1126),ヘマトポルフィリン・オリゴマ-(HpO,MW:3000),フタロサイアニン・アルミニウム錯体(ALPC)などの新しい光感受性物質につき,KKー47膀胱癌細胞,担癌マウス腫瘍を用い,HPLCによる腫瘍細胞内や,腫瘍組織内取り込み,体内薬物動態,さらに種々の分光学的解析による分子形態の解析,アルゴン色素レ-ザ-(630nm),金蒸気レ-ザ-(628nm),チタン・サファイヤレ-ザ-(675nm)などを用いた光力学的反応(PDT)に基き従来のヘマトポルフィリン誘導体(HpD)と比較検討した。何れの薬剤も細胞,あるいは腫瘍親和性においてHpDより優れ,630nmレ-ザ-光照射のよるPDT効果では,HpDーPDTに場合の比し,同等,或いはそれ以上の抗腫瘍効果が認められた。AIPCに関しては,最大吸収波長が675nmと長波長側にあり,675nmを発振するチタン・サファイアレ-ザ-を用いることにより,光の組織深違性が向上し,HpDに比し優位に高いPDT効果が得られ,アルゴン色素レ-ザ-の1/3の光エネルギ-で同等のPDT効果が得られた。また組織内代謝が早く,皮膚よりの排泄がよく,長波長紫外線による皮膚過敏症がHpDに比し軽微であった。今回の研究では,ALPCが最も有望な新しい光感受性物質と見なされた。蛍光分光学的研究により,HpDは細胞,或いは腫瘍組織内取り込みにより会合体を形成することが,生体類似の溶媒系における蛍光スペクトルとの比較より示された。また,この会合体形成物はマイクロ波によるハイパ-サミア効果を増強することが認められた。抗癌剤アドリアマイシン(ADM)投与後のHpDーPDTには光力学的抗腫瘍効果の増強が期待でき,in vitroにおける光力学的殺細胞効果にはADMの抗癌化学効果との間に相乗的効果の増大が認められた。
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