研究課題/領域番号 |
63440086
|
研究種目 |
一般研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分子遺伝学・分子生理学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
池田 日出男 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10012775)
|
研究分担者 |
増田 明子 東京大学, 医科学研究所, 教務職員 (90134626)
川崎 一郎 東京大学, 医科学研究所, 助手 (50204706)
加藤 潤一 東京大学, 医科学研究所, 助手 (10194820)
小林 一三 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (30126057)
本田 正明 東京大学, 医科学研究所, 助手 (20012742)
梨本 裕子 東京大学, 医科学研究所, 助手 (80012730)
|
研究期間 (年度) |
1988 – 1991
|
研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
|
配分額 *注記 |
23,700千円 (直接経費: 23,700千円)
1991年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
1990年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1989年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
1988年度: 10,200千円 (直接経費: 10,200千円)
|
キーワード | 遺伝的組換え / 相同的組換え / 非相同的組換え / DNAトポイソメラ-ゼ / DNA鎖転移活性 / DNA複製 / SV40 / 染色体の分離 / DNAジャイレ-ス / recA蛋白質 / ヒストンH1 / 反復配列 / DNAトポイソナラ-ゼ / トランスポゾン / 遺伝子ターゲッティング / DNAジャイレース / DNAトポイソメラーゼII / DNA鎖転移酵素 |
研究概要 |
(1)分裂酵母の相同的組換えと細胞増殖に必須な遺伝子の解析。我々は、出芽酵母よりも動物細胞に近いと言われている分裂酵母からdph1と名付けた相同組換えの遺伝子を単離することに成功した。この遺伝子の産物を精製し、相同的組換えにおいて重要な役割を持つDNA鎖転移活性を持つことを明らかにした。さらに、dhp1に類似したもう一つの組換え遺伝子dhp2を見い出した。面白いことに、dhp2は増殖に必須ではないが、dhp1は酵母の増殖にも必要な遺伝子であり、組換え遺伝子としては初めての性質を示した。現在、このdhp1やdhp2遺伝子の組換え機能や細胞増殖機能の解析を行なっており、これによって真核生物の組換え機構解明の手掛かりが得られると考えている。 (2)哺乳動物細胞の相同組換え遺伝子の単離。我々は、分裂酵母の組換え遺伝子のアミノ酸配列の情報を利用して、酵母dhp2遺伝子と相同性を持つヒトの組換え遺伝子を単離することに成功した。これによって、DNA鎖転移酵素を精製して、生化学的解析をしたり、酵素を過剰発現させてin vivoにおける組換えの解析の解析を行なうことが可能となった。また、マウスの組換え遺伝子を単離して、変異型のマウスの作製を試みる計画を進行させている。 (3)動物細胞における相同的組換えの無細胞系の開発:組換えと複製のカップリング。動物細胞系における相同的組換え及び非相同的組み換えのin vitro系の開発を行なう目的で、SV40ウイルス由来のシャトルベクタ-に順向きの反復配列を挿入して、その間の組換えを検出する系を作製した。これをSV40ウイルスのin vitro DNA複製系に加えて反応させることによって、このSV40由来のシャトルベクタ-の組換えがin vivoと同様に再現されることを見いだした。しかも、この組換えはDNA複製が起こる条件(SV40ori及びT抗原に依存)でのみ観察されるという興味ある結果が得られた。このことは、動物細胞における相同的組換えはDNA複製とカップルして起こることを示唆している。また、順向きの反復配列を含まないベクタ-では、非相同的組換えが起こることも観察された。このin vitro組換え系は、生化学的に哺乳動物細胞の遺伝子組換え機構を研究していく上で大きな手がかりとなるであろう。 (4)DNAトポイソメラ-ゼの組換えにおける役割。我々はDNAトポイソメラ-ゼの生体内での機能を理解する事を目的にして研究を進め、染色体の分離に必要な大腸菌で四番的のトポイソメラ-ゼ、トポIVを発見した。さらに、2つのサブユニットの精製を行ない、生化学的な性質を調べ、大腸菌のトポIVには内膜と結合する性質があることが分かった。さらに高等動物において遺伝学的手法が使える材料であるマウスのII型トポイソメラ-ゼの遺伝子のクロ-ニングに成功した。
|