研究課題/領域番号 |
63450009
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
美術史
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
菊竹 淳一 九州大学, 文学部, 助教授 (10000374)
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研究分担者 |
小林 法子 九州大学, 文学部, 助手 (40195798)
平田 寛 九州大学, 文学部, 教授 (00036980)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1990年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1989年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1988年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 李朝時代 / 仏教絵画 / 在銘作品 / 図像 / 伝統性 / 革新性 / 階層性 / 画員 / 彩色 / 排仏崇儒 / 願主 / 東アジア / 願主の階層性 / 絹本と麻布 / 絵師と絵仏師 / 紀年銘作品 / 様式 / 技法 / 施主 / 絵師 |
研究概要 |
李朝時代(1393ー1910)は排仏興儒の政策がとられたために優れた仏教美術作品が少ないといわれてきた。ところが日本国内に残る仏教絵画は200点を越える作品があり、その中の40点ほどの作品には、いつ、だれによって、何のために制作されたかを記した銘文がある。これら在銘作品を調査することにより、李朝時代の仏教絵画の特色を明らかにすることができる。(1)李朝時代の仏教絵画の図像は、高麗時代以来の伝統性が強いものと、李朝時代に入って作られた革新性が強いものとの二つに大別できる。そして、伝統性の強い作品は17世紀初期までに集中して制作され、それ以後、革新性の強い作品がつくられるようになる。(2)銘文からみる限り、李朝時代の仏教絵画は、王室貴族階層、僧侶階層、民衆階層が主体となって制作されたことが知られ、作品に階層性があることがわかる。それは、仏教絵画の制作に当った画家(画員)の身分の相違、使用された素材の違いなどによって区別できる。(3)日本に残る本朝時代の在銘の仏教絵画は、17世紀最初期までに制作された作品が圧倒的に多い。このため、李朝時代初期の仏教絵画研究は、日本においての研究が可能である。(4)今後、本研究により収集された資料をもとにして、数多く存在する銘文をもたぬ作品の美術史的位置づけが可能となる。また、韓国はもとより、アメリカやヨ-ロッパに残る李朝時代の仏教絵画に関する調査研究を行うことにより、李朝時代の仏教絵画の全貌を明らかにする必要がある。それは、14世紀以降の東アジアにおける宗教美術の問題にも結びつくものである。
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