研究課題/領域番号 |
63450017
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
心理学
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研究機関 | 立命館大学 (1989) 京都大学 (1988) |
研究代表者 |
室伏 靖子 立命館大学, 文学部, 教授 (80027482)
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研究分担者 |
藤田 和生 京都大学, 霊長類研究所, 助手 (80183101)
松沢 哲郎 京都大学, 霊長類研究所, 助教授 (60111986)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
1989年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1988年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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キーワード | チンパンジ- / 条件性象徴的見本合わせ / 数える学習 / 数概念の形成 / 具体的加減算 / チンパンジー / 数 / 条件性シンボリック・マッチング |
研究概要 |
チンパンジ-、アイ(推定年齢12歳)は、具体的な物の数とアラビア数字、ドットの数とアラビア数字のマッチング課題の訓練を長い間経験することにより、ものを数える(count)ことを学習した。すなわち、1.ドットの数の大きさの関数として示された反応時間曲線の型は、同様の実験場面におけるヒトの資料と類似し、瞬間的理解(subitizing)と数える反応の両者が働いていることを示唆した。しかし、数の増加にともなってみられた最大数おける反応時間の変化は、数の1次元尺度を未だ確立していない動物のみから得られる、興味深い資料であった。2.獲得された数字は、大きさの異なるドットの数、具体的な物の映像、異なった物の混合パタンにも、高い正答率で般化された。3.しかし、2種類の物から構成された異質パタンから、指示された物の数のみを答える課題では、総数5個のパタンに成功するまでに、多くの訓練を要した。このことは、アイにとって、始めはある特定のものの集合に与えられた名前(ラベル)に等しかったアラビア数字が、次第に、ある範囲内で、多くのものの集合に使用されるようになったけれど、しかし未だ、パタン全体の要因から完全に独立に、抽象的なシンボルとしての機能をもつまでには多くの段階が必要であろうことを示唆している。この研究計画の最後の目標は、物の部分集合を用いて加減算を訓練し、次第に、物から独立して数字を操作すること、すなわち、論理的思考の形式的操作が、チンパンジ-にとってどこまで可能であるかを探ることである。
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