研究課題/領域番号 |
63450020
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
心理学
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
平井 久 上智大学, 文学部, 教授 (40053516)
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研究分担者 |
岩橋 俊哉 上智大学, 文学部, 助手
廣田 昭久 上智大学, 文学部, 助手
岡安 孝弘 上智大学, 文学部・心理学科, 助手
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研究期間 (年度) |
1988 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
1990年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1989年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1988年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | バイオフィ-ドバック / 筋電図 / 心拍 / イメ-ジ / 精神的負荷 / ソラクセ-ション / 皮膚温 / 自律訓練法 / 精神生理反応 / 呼吸 / バイオフィードバック |
研究概要 |
今回、我々は以下に示すように4つの観点から実験を行ない複数の反応を測定した。そして、これらの反応間の関係、及び反応と生体の状態との関係を調べた。 1.動物実験で、心拍変動に伴う皮膚温の変化を調べた。結果が示していたことは、心拍は古典的条件づけ事態によく反応していたが、皮膚温はUSに対する反応のみで、条件づけ事態には対応していなかったことである。この点で心拍の特異性が確認された。 2.漸進的弛綾法、超越的瞑想法、EMGバイオフィ-ドバック法及びセルフ・リラクセ-ションを実施し、これらの弛緩法の効果(心拍、呼吸数、前頭筋EMG、皮膚温、情動状態の評定)を比較した。この結果、各技法の効果の間には差があることが確認された。 3.末梢皮膚温の変化に関する3つの実験が行なわれた。末梢皮膚温は精神的な負荷により著しく下降することが見られた、また皮膚温変化は、心拍バイオフィ-ドバック訓練時には、EMG・呼吸反応との同一方向への変化が見られず下降を示し、皮膚温バイオフィ-ドバック訓練時においては、下降から上昇への2相性の変化を示した。 4.バイオフィ-ドバックの認知的媒介の役割を考察するため、イメ-ジ時の生理学的反応を命題構造より分析した。反応命題を含むイメ-ジは刺激命題から構成されたイメ-ジよりも生理学的反応変化を喚起することが、また、反応命題と意味命題とは覚醒と安静の2種の分けられ、恐怖イメ-ジ時の覚醒反応は安静反応命題と安静意味命題によって抑制されることが示された。 以上の結果は、生体をひとつのシステムとして考える際に重要な意味をもってくる。ただひとつの反応指標に比べると、複数の反応を敵切に組み合わせた指標の方が生体の心理的状態をより良く評価・推定していると考えられるからである。
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