研究課題/領域番号 |
63450023
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
斎藤 吉雄 東北大学, 文学部, 教授 (10004029)
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研究分担者 |
松野 隆則 東北大学, 文学部, 助手 (90219460)
菅野 仁 東北大学, 文学部, 助手 (30214729)
海野 道郎 東北大学, 文学部, 助教授 (90016676)
船津 衛 東北大学, 文学部, 助教授 (90047184)
佐藤 勉 東北大学, 文学部, 教授 (10004037)
長谷川 計二 東北大学, 文学部, 助手 (00198714)
永井 彰 東北大学, 文学部, 助手 (90207960)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
1989年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1988年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
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キーワード | コミュニティ・ケア / 在宅ケア / 地域医療システム / 寝たきり老人 / 高齢社会 / 包括的なシステム化 / キーパーソン(Key Person) / 高齢化 / 生活史手法 |
研究概要 |
現代日本では、空前の超高齢化社会が実現しつつある。だが、日本の老人たちの生活の質は極めて貧困である。とくに寝たきり老人や社会的入院をしている老人にとって医療と福祉は重大な問題をかかえている。こうした老人医療ないし福祉をめぐる諸問題は、地域医療システムの確立なくしては解決されない。その処方箋の一端が、先進事例についての現地研究から明らかになった。まず第一に、老人たちにはコミュニティ・ケアが必要だが、そのためには医療サイドと福祉サイドの連携プレイが不可欠である。ところがこの最大の要請が、先進事例でもそれぞれの官僚制的制約のゆえに満たされていないことが判明した。第二に、かかるコミュニティ・ケアにとって、体制の確立が是非とも必要である。第三に、そのためには老人病院の側の姿勢が根本的に改められ、過剰治療を脱して、人間的な治療が実施されなければならず、あわせて在宅ケアが必要であり、またこの在宅ケアを支える中間施設としての老人保健施設が確立される必要がある。しかし、この老建施設が現状では経済的に成り立ちえないことが判明した。赤字であるにもかかわらず必要なのだから…自治体の協力体制をも含めて老人医療施策の根本的改革が求められる。第四に、そうした貧困な医療行政ながら、先進事例ではとくに少数の医師の獅子奮迅の努力が、地域医療システムの形勢を促していることが判明した。現場の医師、看護婦、保健婦が感知している諸情報に基づいて、地域社会システムの在り方を構想し、老人問題を処理している医療と福祉を総合した地域社会システム化が求められていることが明らかにされた。
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