研究課題/領域番号 |
63450025
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 京都教育大学 |
研究代表者 |
松下 武志 京都教育大学, 教授 (20004062)
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研究分担者 |
坂田 義教 福岡工業大学, 教授 (30104813)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
1990年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1989年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1988年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | アルコ-ル依存症 / 断酒 / 断酒会 / アルコ-ル依存 / 匿名原理 / アルコール依存症 / 飲酒行動 / 断酒行動 / 断酒例会 |
研究概要 |
本年度は、本調査研究の最終年度にあたるので、本研究課題に関連した他の諸先行研究の成果を念頭に置いて、それらとの比較検討に留意しながら、本調査研究全体のとりまとめを行った。 本年度の作業を通して、現代の断酒行動について、以下のような三つの社会学的な問題点が明らかにされた。 まず第一に、ある地域や集団において、断酒活動が活発かどうかは、その地域や集団に、断酒活動に理解と情熱を持った医療関係者がいるかどうか、またその指導を受けた断酒実践家が育っているかどうかに大きく依存している。さらにまた、医療関係者と断酒会員とのコミニケ-ションが円滑に行われているかどうかも、断酒活動の活性化に大きく関係している。そうした観点から見ると、島根県においては両者の望ましい関係がみられ、逆に宮城県では、両者の関係が弱く、断酒会活動の混乱と停滞がみられた。 第二に、島根、広島など、断酒活動の活発な地域においては、酒害の社会性、すなわち、国やアルコ-ルの製造・販売会社,マスメディアなど、社会がアルコ-ル依存症者を生み出している側面を強調する考え方が登場してきている。 第三に、アルコ-ル依存症者の人権と家族の人権との衝突場面では、従来は前者を優先させる考え方が支配的であったが、近年、後者を優先させる考え方が台頭してきている。両者のバランスをどうとるかが、今後の断酒会運動にとって重要なテ-マとなってきている。 以上のような研究上の知見を『京都教育大学紀要A(人文・社会)』第79号(平成3年9月)に「断酒会活動の社会学的考察」というタイトルで発表する予定である。
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