本研究は、昭和63年度から平成元年度の2年継続の研究で、わが国の中学生および高校生用を対象とした、英語学力の中心的構成要素と考えられる文型・文法事項に関する学力を評価する英語学力診断テストを開発することを目標とし、さらに可能ならば、その学力テストに基づいて、生徒の英語の学習状況と習得過程を明らかにしようとしている。 初年度の研究は、ほぼ計画通りに推進され、中学校に関しては、中学校用英語検定教科書(New Horizon English CourseおよびSunshine English Course)の各課に現れた新出の文型・文法事項を、さらに高等学校に関しては、文部省学習指導要領の〔英語I〕と〔英語II〕に示されている必修の文型・文法事項をもとに「予備テスト」のテスト項目を設定した。中学1年用から高等学校〔英語II〕用まで7種類の「和文英訳」の「予備テスト」を作成し、本研究の協力者の学校で使用している教科書に合わせて実施した。予備テストは語彙の点からも無理のないように考慮し、基本的な用例を選択し、中学生・高校生の答案用紙は、誤答を含めすべてMS-DOS形式でデ-タを作成し、大型汎用コンピュ-タ-に転送してデ-タをソ-ト・集計して基礎資料「英語教育コ-パス」と呼ぶべき「和文英訳例集」を作成した。 2年目の平成元年度は、その基礎的資料に基づき、文型・文法事項に関するテストを作成し、中学生と高校生を対象に実施した。このテストはさらに改良する予定である。この「和文英訳例集」やテストの結果から、英語学習者の学力レベルおよび習得の状況を理解することができる。 以上のように、基礎資料の作成とテスト処理のために、パソコンと周辺機器をはじめ、各種プログラムやデ-タの穿検孔料にはかなりの金額を費やしたものの、購入した設備・備品は十分に活用でき、極めて有用性が高いものであった。
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