研究課題/領域番号 |
63460025
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
黒田 規敬 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (40005963)
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研究分担者 |
仁科 雄一郎 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (90005851)
酒井 政道 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (40192588)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
1990年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1989年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1988年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
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キーワード | 擬一次元白金錯体 / ソリトン / 動力学特性 / ギャップ内光吸収 / 電子スピン共鳴 / メソスコピック / ホッピング運動 / 拡散 / 高圧 / 顕微分光 / ラマン散乱 / 活性化エネルギ- / 顕微ラマン |
研究概要 |
擬一次元白金錯体結晶をレ-ザ-光または紫外光で照射すると、電子・格子結合の強い擬一次元半導体に特有のソリトンまたはポ-ラロンと考えられる、メソスコピックなサイズを持つ価数不整状態が効率的に励起される。もしもソリトンならばそれは単結晶において価数不整ソリトンが生成できる最初の実例であり、学術的にも応用的にも極めて重要である。そこで本研究では高圧顕微赤外線分光とラマン散乱分光に電子スピン共鳴法を併用し、[Pt(en)_2][Pt(en)_2Cl_2](C10_4)_4(en=エチレンジアミン)単結晶中に光誘起される価数不整状態がソリトンであるか否か、そして運動や衝突の過程においてどのようなダイナミックな性質を示すかを総合的に調ベた。 顕微分光スペクトルと電子スピン共鳴スペクトルを詳細に検討した結果、光誘起された常磁性価数不整状態は白金原子の二量体構造を持つスピンソリトンであることが証明された。これらのソリトンは単結晶中の任意の場所に生成でき、その大きさはおよそ1nmであることが分かった。極低温では巨視的運動をせず平衡位置の周りで揺らいでいるが、温度の上昇につれて一次元結合上でホッピング運動をし始める。その活性化エネルギ-はおよそ13meVであり、相関速度は室温で10^9sec^<ー1>に達する。また一次元結合間でも移動してゆき、結晶表面から内部へと拡散する。二つのスピンソリトンが衝突しても対消滅を起こさず、非磁性状態との相互変換を通して熱平衡を保つ。高圧顕微分光とラマン散乱分光測定で得られた定量的知見に基づく解析より、この非磁性状態は荷電ソリトンであるとの結論を得た。荷電ソリトンとスピンソリトンのエネルギ-差は高々14mnVと小さいため、100K以上では多くのスピンソリトンが荷電ソリトンに変換される。このように、擬一次元白金錯体におけるソリトンのダイナミックスについての基本的な性質も明らかとなり、本研究の目的をほぼ達成できた。
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