研究課題/領域番号 |
63460029
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
寿栄松 宏仁 (壽榮松 宏仁) 東京大学, 理学部, 教授 (70013513)
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研究分担者 |
村上 洋一 東京大学, 理学部, 助手 (60190899)
小間 篤 東京大学, 理学部, 教授 (00010950)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
1989年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1988年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
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キーワード | モノレ-ヤ-の物性 / 酸素単分子層の磁性 / ハロゲン単分子層の結晶構造 / ファン・デァ・ワ-ルス・エピタキシ- / 表面吸着層の電子分光 / 低次元結晶 / 2次元磁性体 / 黒鉛上の単原子層結晶 / 物理吸着層の構造相転移 / 2次元格子の安定性 / 酸素単分子層結晶の磁化 / 酸素単分子層のμSR / ファン・デア・ワールスMBE / 層状結晶上のエピタキシャル成長 |
研究概要 |
本研究は、層状物質(黒鉛、マイカ等)の表面上に酸素分子、ハロゲン分子、アルカリ金属等の単原子結晶を育成し、この2次元系に極めて近い人工結晶の物性研究、すなわち、2次元格子系の構造安定性、2次元三角格子系の磁気構造安定性、電荷移動と電子構造などを明らかにしようとするものである。主要な成果は以下の通りである。 1.酸素単分子層結晶の磁気相転移及び構造相転移。酸素単分子層結晶の磁気的性質を超伝導干渉系を用いた高感度磁化測定により、種々の被覆率に対する安定構造の相図を完成した。第1の成果は、初めてその反強磁性転移に伴う磁化率の異常を観測したことであり、さらに磁化率の異方性が殆ど認められないこと、黒鉛表面に接する第1層は磁気相転移に寄与するが第2層は寄与しないこと、等の特異な性質を明らかにした。第2は、単分子層結晶のような微量試料のマクロな物性量磁化率を精度よく測定できることを初めて示したことである。 2.ハロゲン単分子層結晶の構造相転移。Br_2およびI_2の単分子層結晶の黒鉛上への育成に初めて成功し、X線回折により構造及び融解転移の研究を行った。Br_2単分子層結晶には2種類の構造があり、低被覆率に現れる整合相(2x2√<3>)と高被覆率相に現れる不整合相(√<3>x3/2)とが観測された。整合相は、約166Kで融解するが、この融解転移は極めて2次転移的であることが明かとなった。さらに高被覆相は通常の3次元固体よりも高い面内密度を持っており表面の特異性が現れているものと、興味深いものである。 3.マイカおよびCaF_2基盤表面へのファン・デア・ワ-ルス・エピタキシ-に成功し、この2次元結晶の電子エネルギ-損失スペクトルを測定した。さらにこれら結晶の磁化率を超伝導干渉系による高感度測定によって明らかにした。
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