配分額 *注記 |
6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
1990年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1988年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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研究概要 |
真空紫外域で作動する偏光板の設計・製作を行った。これは高真空中(10^<-8>Torr以上)で,外部より回転でき,かつ,その位置が確認・固定できること,光学的には回転による光軸のずれがなく,できるだけ広がった光束であっても作動することを目標とした。 このため,金蒸着した平面鏡三枚の組合せによる入射角70°ー50°ー70°斜反射型を採用した。金蒸着も真空度によって高光子エネルギ-領域で反射率に大きな差が生じることがわかり,超高真空中(10^<-10>Torr以上)での作製を留意した。偏光性能は20eVにおいて偏光能90%以上,透過率5%以上で初期の目標は達成した。現在,広がりのある光束を偏光子により試料へ集光させる試みとして組合せ平面鏡の一部を凹面鏡に代えることを試みている。 シンクロトロン放射光源のマシンタイムの関係で,ガドリニウム鉄ガ-ネットにビスマスを置換した試料(Gd_<3ーx>Bi_xIG)の反射率の測定を行った。Bi濃度xは0,0.5,0.8,1・1とした。29eV付近にBiイオンの5dー6p遷移による6つの構造を見出した。これは昨年報告したイットリウム鉄ガ-ネットの場合と同じ結果であった。しかも,ビスマス濃度依存性が明らかになった。しかし、これらの構造に対する左右円偏光の違いは未だ測定できていない。 一方,ビスマスの自由イオンにおける,スピン軌道相互作用,ク-ロン相互作用,交換相互作用および立方対称な結晶場を考慮して5dー6p光学許容遷移エネルギ-を計算したところ,測定による構造とよく一致した。これは,鉄ガ-ネット中の希土類イオンと置換したビスマスイオンのbp状態が自由イオンの場合とよく似ていることを意味している。
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