研究課題/領域番号 |
63460055
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用物性
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
安田 幸夫 名古屋大学, 工学部, 教授 (60126951)
|
研究分担者 |
小出 康夫 名古屋大学, 工学部, 助手 (70195650)
財満 鎮明 名古屋大学, 工学部, 助教授 (70158947)
|
研究期間 (年度) |
1988 – 1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
1989年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1988年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
|
キーワード | ゲルマニウム / シリコン / 成長初期過程 / その場観察 / 反射電子回折法 / ガスソ-ス分子線エピタキシャル法 / 固相界面反応 / 秩序構造 / 回相界面反応 / {811}面 / 反射電子回拆法 / 気相成長 / 成長初期段階 / ファセット構造 |
研究概要 |
近年、Ge/Si超格子構造は、直接遷移型のバンド構造となることが理論的に予言され、IV族半導体の光エレクトロニクス分野への応用が期待されている。この様なGe/Siヘテロ構造を作製するためには、ヘテロエピタキシャル成長機構を、成長界面での固相反応機構を含めて解明する必要がある。本研究では、GeH_4を用いたガスソ-ス分子線エピタキシャル法による、Ge/Si系のヘテロエピタキシャル成長において、成長機構及び固相界面反応との関係を明らかにすることを目的とした。この目的に沿って、反射電子回折装置を装備した高真空気相成長装置を製作し、(100)Si及び(811)Si基板上にGeのヘテロエピタキシャル成長を行ない、成長初期段階を動的に“その場観察"した結果、以下の新たな知見が得られた。 本研究で行った基板温度300〜700℃の範囲で、(100)Si及び(811)Si基板上のGeは歪みながら数原子層程度の二次元核成長した後、島状成長することが見出された。しかも、島状結晶は優先的な結晶面を持ち、(100)Si基板上では、まず{811}面から成るファセットが成長し、成長とともに{311}ファセット面に変化していくことが明らかとなった。また、(811)Si基板上では、同様に、(811)面から成るファセットが成長し、成長とともに{311}及び(100)ファセット面に変化していくことが明らかとなった。以上の結果は、Si、Geなどのダイヤモンド構造に、特徴的なものであり、また{811}面がエネルギ-的に安定な結晶面であることを意味し、従来の理論では説明することができず、新しい問題を提起している。また、Ge膜の反射電子回折像から、成長初期においてGeとSiの固相界面反応による混晶化が起こり、しかもGe及びSi原子の秩序構造が形成されていることが見出された。今後、{811}面の原子配列状態とその安定性を調べるとともに、Si・Ge系において、界面反応及び秩序構造と関連して成長機構を詳細に調べる計画である。
|