研究課題/領域番号 |
63460075
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機械材料工学
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
田中 道七 立命館大学, 理工学部, 教授 (90066613)
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研究分担者 |
中山 英明 大阪産業大学, 短期大学部, 教授 (90097999)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
1989年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1988年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | 形状記憶合金 / 形状記憶効果 / 超弾性 / TiーNi系合金 / 温度サイクル / 回復力 / 劣化特性 |
研究概要 |
本研究ではNi-Ti系形状記憶合金の荷重/変形/温度組合せサイクル下での劣化特性の総括的評価を目的として、昭和63年度および平成1年度の二年間にわたり遂行された。先ず第1年次においては、記憶機能劣化評価試験システムの整備、完成および比較的小数回の繰り返し条件下において形状記憶効果および超弾性特性の劣化過程を詳細に検出し、検討を加えた。次いで、第2年次においては特に高サイクル側での特性評価に重点を置き、一連の実験を遂行した。この段階で一般に長時間を要する温度サイクル下での形状記憶効果劣化試験を迅速に遂行するため、予備実験を経て直接通電加熱方式を採用した。本手法を採用することにより、1温度サイクルがおよそ30秒に短縮され、形状記憶合金に関して実用上十分な温度サイクル数である1万回までの繰返し試験を体系的に行うことに成功した。2年間にわたる本研究の結果の大要は以下の通りである。(1)本研究に使用した記憶機能劣化評価試験システムは良好な性能を有することが確認された。(2)形状記憶熱処理温度は相変態温度を規定する主要因子であるが、これはマルテンサイト変態温度に大きな影響を及ぼし、また同一実験温度におけるマルテンサイト相誘起荷重は熱処理温度が低いものほど大きいことが認められた。(3)超弾性特性繰返試験の結果、残留伸び、マルテンサイト変態誘起荷重およびエネルギ貯蔵効率等の特性値は繰り返し初期に大きな変動を示すが、繰り返し数の増加に伴って安定化し、また形状記憶熱処理温度の低いものほど繰返しに対する安全性が優れていることが明らかとなった。(4)最大1万回までの温度サイクル範囲で行った形状記憶効果特性劣化試験の結果、温度サイクルに伴う回復力は繰返し初期では形状記憶熱処理温度の高いものほど高い値を示すが繰返しに伴う劣化は急速であり、超塑性特性と同様に熱処理温度の低いものほど安定性は優れていることが確認された。
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