配分額 *注記 |
7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
1990年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1989年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1988年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
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研究概要 |
力学的強度特性の内部損傷に対する余裕(冗長性)の欠如という複合材料の弱点を評価するための知見を獲得することを目的として,界面の力学的不安定特性に注目した研究を行い,つぎのような成果を得た. [A]積層構造を有する平面ひずみブロックの,一様引張り変形からの分岐解析を通じて、・支配方程式が積層領域ごとにせん断帯状変形を発生する可能性がある双曲線型となる条件を明らかにし,・楕円型領域内で,界面に変形モ-ドが集中する界面不安定分岐が存在することを示し,・界面剥離の評価基準になる無限小波長モ-ドの分岐点の材料特性(各積層材の塑性硬化特性,降伏応力,および弾性系数)依存性を明らかにした. [B]表面と界面の不安定現象の実体を検討する目的で,材料単体に固有の限界をはるかに超えた変形を加えることができる高分子薄膜を表面に積層したアルミ箔の単軸/等2軸引張り試験を行い,界面に生じるあれの成長を観測した.その結果より,・単軸引張り試験では,自由縁に現れる局所変形が起点となる破断を生じ,材料固有の変形限界状態を作り出すことができない,・界面あれは,ほぼひずみに比例する時期を経て一旦成長が止まり,その後急増し最終破断に致る.アルミ箔単体の表面あれ成長では見られないあれ成長停止期間では,不安定的局所変形を高分子薄膜が抑制しており,それが積層材の伸びを著しく向上させることに貢献していることを明らかにした. [C]界面,表面不均質変形のフラクタル解析を行い,初期形状,結晶粒サイズに依存するあれの成長と,せん断帯の形成などの結晶微細構造に起因した形状変化では,フラクタル次元が異なることを明らかにした. [D]高分子膜積層材の界面剥離伝播と母材局所変形を数値シミュレ-ションにより検討し,剥離の起点となる欠陥が母材の特性と影響し合って成長する過程に及ぼす材料的,幾何学的要因を明らかにした.
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