研究概要 |
1.ゲル・コ-ティングによる強磁性酸化物薄膜の作製 (1)Bi置換YIG単結晶薄膜の作製 構成金属の硝酸塩とエチレングリコ-ル溶液をゾル・ゲル反応で作製される適当な粘度のゲルをGGG基板上にスピン・コ-ティングして単結晶薄膜が得られる。形成温度は580゚Cであり結晶成長し低温液相エピタキシャル成長機構によって単結晶が成長すると考えられる。 (2)Bi_2O_3ーFe_2O_3ーPbTiO_3系アモルファス薄膜の作製 スパッタ法で作製されるこの系の酸化物薄膜は室温で強磁性・強誘電性をもつ顕著な物性を示す。ゲル・コ-ティング膜においてもスパッタ膜同様の磁気特性を持つアモルファス薄膜が得られる。 2.ミスト熱分解法による強磁性酸化物微粒子の作製 金属イオンを含む溶液を霧化して直接所望の強磁性酸化物微粒子の作製を試みた。この手法によってYIG及び鉛フェライトの直径20nm〜200nmの均質の微粒子を得ることができた。 3.強磁性微粒子分媒体を用いた磁気光学素子の開発 上記2.の手法で作製される微粒子を透光性媒体中に分散させたものを固化することにより,大きな磁気光学(MO)効果をもつ透光性材料が作製できる。しかし現在得られている粒子径がまだ大きいため暫定的に入手できる強磁性微粒子を利用した。これ等としてBaフェライト磁気インク,マグネタイト及びコバルトの磁性流体でであり,適当なレジン,あるいはポリビニ-ル・アルコ-ル,スチレン等の高分子モノマ-に分散させたものを,熱的に重合してプラスチックを形成する。更に固化の際,磁場を印加によりて強磁性微粒子を一次元クラスタに配向させ,磁気並びに光学的異方をもった媒体を作製した。これ等の試料のMO効果に関する研究が進行中である。
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