研究課題/領域番号 |
63460119
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子材料工学
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
澤 五郎 三重大学, 工学部, 教授 (40023072)
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研究分担者 |
飯田 和生 三重大学, 工学部, 助手 (80135425)
中村 修平 三重大学, 工学部, 助教授 (70109297)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
1990年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1989年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1988年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 蒸着重合 / ポリイミド / 絶縁材料 / 薄膜 / 電気伝導 / 絶縁破壊 / 絶緑材料 |
研究概要 |
電子デバイス用の絶縁膜の作成方法としてドライプロセス法の一つである蒸着重合法を用いてポリイミド薄膜を作成し、その電気絶縁特性を調べた。従来からあるドライプロセス法であるプラズマ重合などによって作成した薄膜は架橋構造など通常の化学的な重合法で作成した高分子とはかなり違った構造を持つ高分子の薄膜であった。それに対し、蒸着重合は通常の重合法と同じ構造の高分子の薄膜がドライプロセスで得られる特徴ある成膜法てある。本研究では、まず、有機物の二元蒸着に適した装置の開発を行った。本蒸着重合装置の主な特徴は蒸発速度のモニタ-と排気系のモノマ-回収トラップである。薄膜作成条件についての検討から、基板を未反応のモノマ-が付着できない温度まで昇温することによって、モノマ-が残留しない薄膜を作成することができ、その温度の中で低い温度ほど分子量が大きなポリイミドが生成することが明らかになった。蒸着重合によって作成できる高分子は二官能性モノマ-から重縮合あるいは重付加反応によって生成するもので、それらを溶液中で重合する場合に室温付近の穏和な条件下で速やかに重合が進行する程度の反応性の高いモノマ-を用いる必要があることが示された。次に、市販のポリイミドフィルムを用いて、分子構造及び高次構造と電気伝導特性との関連について検討を行い、ポリイミドの導電電流は分子鎖の配向方向、平面状の分子の構成する面の配向方向及び分子構造に従存することが示された。次に、蒸着重合によるポリイミドの電気伝導及び絶縁破壊特性について調べ、伝導特性は薄膜作成条件にはあまり依存せず、むしろ成膜後の熱処理に大きな影響を受けることが示された。また、室的過程によるものと考えられ、耐熱性のために分子鎖中に導入された環構造は互いに離れた方が絶縁特性はよくなることが示唆された。
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