研究概要 |
1.首都高速道路上の6つの織り込み区間において,交通流のビデオ観測,車両感知器デ-タ収集を実施し,巨視的な渋滞状況(交通量,走行速度,オキュパンシ-)の観測と微視的な車両挙動の読み取りを実施した。ビデオ観測は,近隣の高層ビルから,係留気球から,あるいはヘリコプタ-からの撮影を行った。 2.撮影画象の解析については,約1秒間隔で読み取った車両の走行位置デ-タについて,撮影画面の幾何補正,走行軌跡のスム-ジング,補完処理を行った。 3.巨視的な諸量の関係分析として,織り込み区間の交通容量と織り込み区間長,織り込み交通量,織り込みタイプとの関係を分析したところ,区間長が長くなるに連れて容量が多少増える傾向が把握できた。また,1965年版のHCMで定義されている織り込み影響係数を観測し,HCMで提案されている影響係数の推定方法を検証した。 4.前年度までの観測・分析結果に基づいて,車線変更挙動、追従挙動における走行速度、加減速度、車間距離、反応遅れ時間などの基本的な相互関係を分析整理した。 5.車両挙動を定量的に記述するモデルの構築うとともに,本モデルを用いて織り込み交通流を再現するシミュレ-ションモデルを作成した。堀切,箱崎織り込み区間の観測デ-タを用いて,モデルの検証を行ったところ,良好な交通容量の再現性が確認できた。 6.各種道路幾何構造を持つ織り込み区間において,シミュレ-ションを行い,道路幾何条件(織り込みタイプ),交通条件(織り込み比率など)と織り込み区間の交通容量との関係を整理した。
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