研究課題/領域番号 |
63470004
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理化学一般
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
志田 忠正 京都大学, 理学部, 教授 (60025484)
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研究分担者 |
百瀬 孝昌 京都大学, 理学部, 助手 (10200354)
加藤 立久 京都大学, 理学部, 助手 (80175702)
赤坂 一之 京都大学, 理学部, 助教授 (50025368)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
1989年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1988年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
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キーワード | 濃度ゆらぎ / 密度ゆらぎ / 化学反応 / 光散乱法 / 二成分溶液 / 局所電場 / 平衝定数 / レイリー散乱 / 放射線化学反応 / 電離 / 二成分溶液系 / ブリルアン散乱 / 溶液 |
研究概要 |
凝縮相、特に溶液は分子の分布が巨視的には均一であるが微視的には構造を持ち、その濃度や密度は時間・空間的に揺らいでいる。この揺らぎが化学反応などの動的過程に及ぼす影響を検証し、その本質を明らかにする事が本研究の目的である。しかし通常の化学反応では一般に多成分系を対象とする上に、各成分の分子の個性が反応ごとに強く反映しすぎるため、一般的現象としての溶液構造の反応への影響を浮き彫りにすることが容易でない。 そこで本研究では主として2成分溶液に対象を絞り、その濃度及び密度揺らぎの確率の表式を求めるとともにこれらの揺らぎが反応に及ぼす影響を明らかにする事を目的として理論的考察を行った。これまでの理論では部分系の粒子数変化に近似を入れた取り扱いをしていたために濃度揺らぎが反応に及ぼす影響の評価が正確でなかったが、我々は一般的な関係式の導出に成功し、濃度揺らぎと反応の揺らぎの間の関係式を導いた。さらに光散乱法を用いることにより系に摂動を与えることなく反応の速度を求めることができることを明らかにした。 この応用の具体的な系としては、水・アルコールの2成分系に放射線を照射した系があげられる。この系では放射線照射で誘起される荷電種の関与する化学反応は2成分溶液の濃度、密度揺らぎの影響を敏感に受けると見られるので本研究の目的に適合した系といえる。本研究の成果は化学反応に対する系の揺らぎの影響を解明する糸口を与えるものであり、今後本研究の成果に基づいて一般の系への応用を目指す。
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