研究課題/領域番号 |
63470012
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機化学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
奈良坂 紘一 東京大学, 理学部, 教授 (50016151)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
1989年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1988年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
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キーワード | キラルなチタン化合物 / 不斉Diels-Alder反応 / 不斉エン反応 / 不斉ヒドロシアノ化反応 / 不斉[2+2]付加環化反応 / 光学活性シクロブタン / 不斉エステル化反応 / 不斉触媒反応 / 不斉反応 / 不斉〔2+2〕環化付加反応 / 速度論的光学分割 / シクロブタン / オキセタノシン / キラルなチタン触媒 / 分子内不斉Diels-Alder反応 / 分子内不斉エン反応 |
研究概要 |
新しい効率的な不斉触媒の開発について検討した結果、酒石酸より誘導されるキラルな1,4-ジオ-ルを導入したチタン化合物が、キラルなルイス酸として、以下に示す各種反応に有効に利用できることが明らかになった。 1.アクリル酸誘導体およびフマル酸誘導体と各種ジエンとの不斉Diels-Alder反応が、上記触媒とモレキュラ-シ-ブ4Aを組合わせ用いることにより、高い不斉収率で進行する。また分子内不斉Diels-Alder反応にも適用した結果、各種二環性化合物がほぼ光学的に純粋に合成できることが分った。 2.キラルなチタン触媒は、アクリル酸誘導体とケテンジチオアセタ-ル、ビニルスフィド、アルキニルチオエ-テルとの[2+2]付加環化反応を促進し、各種シクロブタン、シクロブテンが極めて高い光学純粋で得られる。 3.分子内エン反応が、キラルなチタン触媒により高エナンチオ選択的に進行する。シクロペンタノン、シクロヘキサノン誘導体が、簡便に、しかも高い不斉収率で合成できる。 4.キラルなチタンは、アルデヒドの不斉ヒドロシアノ化の反応促進剤となり、各種アルデヒドより対応する光学活性ヒドロシアンが高選択的に生成する。 5.ラセミカルボン酸、エポキシドの速度論的光学分割を、キラルなチタンを用いて検討した結果、触媒的にしかも高い選択性で分割が行なえることを見出した。 上述した不斉反応を利用し、オキセタノシンの炭素類縁体、グランジソ-ル、ε-カジネンなどの生理活性物質を、光学的に純粋に合成することもできた。
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