研究課題/領域番号 |
63470014
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機化学一般
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
富岡 秀雄 三重大学, 工学部, 教授 (20024599)
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研究分担者 |
村田 滋 三重大学, 工学部, 講師 (40192447)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
1989年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1988年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
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キーワード | 立体保護 / ジフェニルカルベン / フルオレニリデン / 閃光光分解 / カルベンの寿命測定 / カルボニルオキシド / H-引き抜き-転位-再結合 / オルト効果 / 隣接基関与 / 低温マトリックス合離 / ジデュリールカルベン / トリプチシルカルベン / カルベのフィリシティー |
研究概要 |
前年度までの研究によって、イオン性置換基やヘテロ置換基を持つカルベンが非結合相互作用によって安定化を受け、その反応性が著しく変化することを明らかにした。今年度は立体保護によるカルベンの安定化を生成物分析、分光学的研究の両面から検討するため、(i)ジフェニルカルベンと(ii)フルオレニリデン系でのオルト位の置換基の効果を検討した。 1.ジメシチルカルベン(1)、ジデュリカルカルベン(2)、2、2'、4、4'、6、6'ヘキサクロジフェニルカルベン(3)、2、4、6、-トリ-t-ブチルジフェニルカルベン(4)を発生しうるジアゾ化合物を合成し、各種基質中でこれらを発生させその反応性を検討した。その結果、1、2はアルコ-ルなどカルベンに対し高い反応性を示す基質と反応するが、3、4では基質との反応性は著しく低下し、カルベン二量体、分子内C-H挿入物をそれぞれ主に与えた。1〜4およびそれらの酸素付加体カルボニルオキシドの室温での寿命を閃光光分解法により測定したところ、この順に長くなり、3は200ミリ秒、4の酸素付加体は、1.2秒とかなり長寿命であることを明らかにした。 2.1位にアルキル、アルコキシ、ハロ等一連の置換基を持つフルオレニリデン(F1)を発生させ、その反応性を検討した結果、アルコキシ及びハロ置換体では一重項F1が安定化されるのに対し、アルキル置換体では三重項での反応が有利になることを示した。特に1-t-ブチルF1は分子内H引き抜き-転位-再結合という前例のない反応をすることをみいだした。一方、1、8-ジアルキルF1を発生しうるジアゾ化合物の合成経路を開発し、その反応性を検討した。その結果、1、8-ジアルキルF1でと一重項での反応は制御され、三重項でベンゼンからもH引き抜きを行うことを明らかにした。
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