研究課題/領域番号 |
63470038
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機・錯塩・放射化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中山 則昭 京都大学, 化学研究所, 助教授 (00164369)
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研究分担者 |
細糸 信好 京都大学, 化学研究所, 助手 (30165550)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
1989年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1988年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
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キーワード | 3d遷移金属アンチモン化物 / 単原子層 / 多層膜 / 界面反応 / エピタキシャル成長 / 強磁性 / 薄膜 / 単原子層の磁性 / 界面の反応性 / 化合物薄膜 |
研究概要 |
3d遷移金属アンチモン化物単原子層の合成を目的として、Cr・Mn・Fe・Co・NiとSbの多層膜を作製し、界面反応について検討した。界面の反応性は3d遷移金属の種類によって大きく異なっている。反応性の高いMn・Co・Niの場合に、NiAs型アンチモン化物単原子層を含む多層膜が得られ、興味ある磁性を示すことが判明した。 1.Mn/Sb界面は最も反応性が高く、基板温度を-100℃に保っても、界面反応によってNiAs型MnSbが生成される。基板温度を室温とし、蒸着膜厚比Mn(1Å)/Sb(50Å)の多層膜を作製すると、エピタキシャル成長したMnSb単原子層が生成される。単原子層であることは、X線回折とTEMによって明らかにされた。単原子層MnSbはバルクと同様に強磁性を示すが、転移温度は80Kまで低下し(バルク580K)、80K以下でも単原子層特有の磁化のゆらぎがみられる。また、4.2Kでは垂直磁気異方性を示す。 2.Cr/Sb界面は中間的な反応性を示し、基板温度を80℃に保った場合にのみCrSb単原子層を含む試料が得られる。バルクのCrSbが反強磁性体であるのに対し、CrSb単原子層は弱い強磁性を示す。また、基板温度-40℃では、アモルファスCr単原子層が得られる。 3.Ni/Sb界面はMn/Sb界面に匹敵する高い反応性を示すが、SbとNiSbのミスフィットが大きいため、良質のNiSb単原子層は得られない。磁気的にはバルクのNiSbと同様に弱い常磁性を示すのみであり、単原子層の磁気的な特異性はみられない。 4.Co/Sb・Fe/Sb界面は、基板温度を100℃に保っても反応性を示さず、CoSb・FeSb単原子層を含む試料は生成されない。
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