研究課題/領域番号 |
63470053
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属材料
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
柴田 俊夫 大阪大学, 工学部, 教授 (90001205)
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研究分担者 |
藤本 慎司 大阪大学, 工学部, 助手 (70199371)
谷口 滋次 大阪大学, 工学部, 助教授 (50029196)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
1989年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1988年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
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キーワード | 孔食 / 確率統計的性質 / 出生死滅確率過程 / モンテカルロシュミレ-ション / モンテカルロシミュレ-ション / 局部腐食 / 孔食発生誘導時間分布 / 孔食電位分布 / モンテカルロシシュレーション / 出生死滅確率モデル |
研究概要 |
ステンレス鋼などの耐食材料においては、その腐食事例の過半は孔食や応力腐食割れなどの局部腐食である。局部腐食現象は時間的にも空間的にも大きな確率的・統計的変動を示すことが知られている。そのため最近関心をもたれている装置材料の寿命予測や信頼性評価を行うためにも、局部腐食事象の示す確率統計的性質の解析が必須とされている。 そこでこれまで提案してきた孔食発生の出生死滅確率過程モデルを一層発展させるとともに、この確率モデルに基づいて、孔食発生と成長のモンテカルロシミュレ-ションを行ない、局部腐食で実験的に観測される孔食電位や孔食発生誘導時間分布との対比から提案した確率過程モデルの妥当性について検討した。 本研究において提案した孔食発生の出生死滅確率過程モデルの基本的仮定は次のとうりである。すなわち1)孔食核の発生はポッソン確率過程に従い、そのため発生時間分布は指数分布となる。発生速度に対応する推移確率は電位の関数で与えられる。2)発生した孔食核は時間と共に成長するが、その速度定数は電位の一次関数である。3)一定の大きさに達しない孔食核はポアッソン確率過程に従って死滅する。すなわち死滅に至るまでの寿命は指数分布に従う。4)一定の大きさまで成長した核は以後死滅することなく成長を続ける。以上のモデルを仮定しモンテカルロシミュレ-ションを行なった結果、1)孔食電位の確率分布は正規分布に近似でき、2)孔食電位の中央値は電位移動速度の平方根に比例し、3)孔食発生誘導時間の確率分布はひずんだ指数分布に従うなど、実験的に観測された確率統計的性質を矛盾なくシミュレンすることができた。また非晶質合金の結晶化に伴う材料の不均一性の増大が孔食発生に及ぼす影響を上述の出生死滅確率過程モデルに基づいて解析し、モデルの妥当性を確認した。
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