研究概要 |
キラルなどニルリチウム化合物のα-メチルアルデヒドに帯する付加、続くクラム(syn)型主生成物の均一水素化による3連続不斉中心の構築という我々の開発した2段階連結法を用いて、ポリケチド天然物に属するVenturicidinAのC15〜C25セグメントの合成を行った。さらに他のキラルなビニルリチウム化合物を合成し、その性質を検討した。キラルなビニルヨード体、3,5,6-trideoxy-5-iodo-1,2-0-isopropylidene-3-C-menthyl-α-L-ribo-5-hexenofuranose(1__〜)をD-altrose より10行程(13%)で合成した。1__〜をエーテル中-90°CでBuLiによりリチオ化し、(s)-2-methyl-3-triphenylme thxypropanalhh(2__〜)とカップリングさせ、18:1の選択性で目的のクラム型アルコール3__〜を得、このエキソメチレンをwilkinson触媒存在下水素化させ、10:1の選択性で水酸基に対してアンチ型の還元体4__〜を得た。この水酸基をデオキシン化後、9行程でC15〜C21位に相当するアルデヒド、7-0-benzyl-3-t-butyldimethylsily-2,4,5,6,-tetradeaxy-2,4,6-tri-C-methyl-aldehydo-L-gulo-heptose5__〜を得た。この5__〜に、前述と同様に1__〜のリチオ体を2段階連結させ、>94:1と40:1の選択性で連結体6__〜を得た。6__〜の水酸基のデオキシ化は不純物を含みながらも達成され、ここにVenturidinAのC15〜C25位セグメントを合成した。他のキラルなどビニルヨード体として、(2S,3R)-1,3-benzylidenedioxy-4-iodo-2-nethyl-4-pentene7__〜およびその(2R)-エピマー8__〜を合成した。1__〜,7__〜,および8__〜よりのビニルリチオ体とヘプタナールとのカップリングを行った所、1__〜と7__〜はそれぞれ4:1および4.4:1のアルデヒドのsi-面選択性を示した。8__〜は選択性を示さなかった。さらに2__〜と7__〜の連結では10:1,1__〜と3__〜の(2R)-エピマーとの連結では1.5:1のsi-面選択性を示した事等を考慮すると、ヘプタナールとの連結まである程度(約4:1)の面選択性を示すキラルなどビニルリチウム化合物には二重立体区別能力があるものと考えられる。7__〜は1__〜よりも合成が簡単ゆえ、この7__〜を用いて5__〜に相当する化合物を効果的に得る事にも成功した。
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